【問題】
数列{an} において,a1=1 であり,n≧2に対して an は,次の条件(1),(2)をみたす自然数のうち最小のものであるという。
(1) an は, a1, ・・・・・,an-1 のどの項とも異なる。
(2) a1, ・・・・・,an-1 のうちから重複なくどのように項を取り出しても,それらの和が an に等しくなることはない。
このとき,an をnで表し,その理由を述べよ。
【解説】
自分が受験したときの問1で,一番印象に残っている問題です。実験して予想して証明する,という手順で解く問題です。 当時,うまく予想できたので,「いける」と思い調子がよくなったきっかけの問題でした。
予想するだけでも,部分点はもらえるので 受験生の方は このようなパターンの問題を見つけてスタートすることをお勧めします。
実験します。
a1=1
a2=a1と異なる自然数のうちで最小=2
a3=a1,a2と異なる→{1,2}はNG
{1,2}から和を作る→{3}はNG
={1,2,3}以外で最小=4
a4={1,2,4}はNG
{1,2,4}から和を作る→{3,5,6,7}はNG
={1,2,3,4,5,6,7}以外で最小=8
an=2^(n-1) と表せます。
その理由を帰納法で示します。
ak=2^(k-1) とすると
a1,・・・・・,ak-1 のうちから条件(1)(2)でつくった数は
1,2,・・・・,2^(k-1)-1
の全がそろっていることになる。
ak+1={1,2,・・・・,2^(k-1)-1} ,2^(k-1), {1,2,・・・・,2^(k-1)-1}+2^(k-1) 以外 で最小
=2^(k-1)-1+2^(k-1)+1=2・2^(k-1)=2^k
よって an=2^(n-1)
ところで,実験をしているうちに 2進法が連想できたでしょうか。
連想できた人は,実力十分です。