東大の数列問題(S58) | 東大カリスマ塾長 浜田一志公式ブログ -9割が伸びる”文武両道”勉強法-

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【問題】

数列{an} において,a1=1 であり,n≧2に対して an は,次の条件(1),(2)をみたす自然数のうち最小のものであるという。

(1) an は, a1, ・・・・・,an-1 のどの項とも異なる。

(2) a1, ・・・・・,an-1 のうちから重複なくどのように項を取り出しても,それらの和が an に等しくなることはない。

このとき,an をnで表し,その理由を述べよ。


【解説】

 自分が受験したときの問1で,一番印象に残っている問題です。実験して予想して証明する,という手順で解く問題です。 当時,うまく予想できたので,「いける」と思い調子がよくなったきっかけの問題でした。


 予想するだけでも,部分点はもらえるので 受験生の方は このようなパターンの問題を見つけてスタートすることをお勧めします。


実験します。

 a1=1

 a2a1と異なる自然数のうちで最小=2

 a3a1a2と異なる→{1,2}はNG

    {1,2}から和を作る→{3}はNG

   ={1,2,3}以外で最小=4

 a4={1,2,4}はNG

    {1,2,4}から和を作る→{3,5,6,7}はNG

   ={1,2,3,4,5,6,7}以外で最小=8


 an=2^(n-1) と表せます。


その理由を帰納法で示します。

 ak=2^(k-1) とすると

 a1,・・・・・,ak-1 のうちから条件(1)(2)でつくった数は

  1,2,・・・・,2^(k-1)-1

 の全がそろっていることになる。

 ak+1={1,2,・・・・,2^(k-1)-1} ,2^(k-1), {1,2,・・・・,2^(k-1)-1}+2^(k-1) 以外 で最小

    =2^(k-1)-1+2^(k-1)+1=2・2^(k-1)=2^k

よって an=2^(n-1) 


ところで,実験をしているうちに 2進法が連想できたでしょうか。

連想できた人は,実力十分です。