ミラクルパワーズのムチムチプルン


ミラクルパワーズのムチムチプルン


ミラクルパワーズのムチムチプルン


あぁぁぁ。

今日は15時間くらいバイトした。午前10時前から入って

終わったのが深夜1時越え。

そっからは夜のおねえちゃんみたいに送迎車で帰りたいところだが

自転車で45分の道のりだ。

身体がキンキンに冷えた。


今日はとにかく一日のおわりが胸糞悪い。

昼過ぎまではよかった。

けいいちけいじのけいじとはバイト先がお互いめちゃくちゃ近く

15時過ぎたあたりで電話があり

俺が働いている麵屋に食べに行きたかったみたい。

でも、あいにく俺も休憩時間で店を外しており

会えずじまい。

まぁ会えずじまいくらいの関係が、けいじとは丁度いい。

会うとめんどくさい。

嫌いでは無いョ。

好きでもない。


そんなポカポカ陽気なお昼も夜になり

冷えこみはじめ

23時を周りサラリーマンのテンションも上がり始めた頃

俺のいる店は閉店を迎え

締め作業に入る。

当然23時を過ぎてからの締め作業は

終電に間に合わないし、俺ひとり終電で帰ったら

残された店長の締め作業はもっと増え

帰る時間も遅くなる。

そんなことがあり自転車で阿佐ヶ谷から

赤坂までチャリなのだが

そんな締め作業に追いやられる中

店の前に停めてある何台かの自転車を

ドンガラグワッチャ―――ン!!!

と、酔っぱらったサラリーマンが倒していった。

しかも、わざと。あえて。故意に。

俺はハッキリと自分の自転車と店長の自転車、そして近隣の飲食店のも。

ドンガラグワッチャ―――――ン!!!

と倒されたのを見た。

家政婦のミタ

いや

アルバイトのミシマだ。


カッチ―――ン!!!!

俺はすぐさま店を出て

まずは倒された何台もの自転車を起こした。

そして、そのサラリーマンの動向を追うと

すぐさま今度は駐車禁止のポールをいくつも倒し

車が通る道をその倒れたポールが邪魔をした。

そして、その中のポールの一つが

道行くご老人の方に当たりそうになった。

この、ポール

重しの部分がコンクリで

重くて当たったら危ない。

怪我だってする。

なんとかご老人の前で止まったポールだが

次はさらにその先の自転車を倒した。


完全に切れた。

「オイ!!コラ!!待て!!!」

怒号が飛んだ。

その場にいた、誰もが歩みを止め

空気が静まり返った。

「お前、こっちこい!!」

「こっちこいつってんだろ!!」


店長が叫んだ。

俺が切れる前に店長が切れた。

完全に切れるタイミングを失った。


そ、そんなにキレなくても・・。って思うくらいの腹式呼吸で

店長の怒号はサラリーマンの足を止め

まずは倒したすべてのものを元に戻させた。


なによりもご老人の安否を気にしていた。

しかし、このリーマン

酔っぱらってるからか

誠意が伝わらない。

「はいはい、これでいいんだろ?」

的な態度で、俺は後乗りでキレた。

時差キレだ。


ミシマ

「会社で嫌な事があったか知らないけど

物に当たるんじゃねーよ。

とりあえず倒した事に謝れよ。」


リーマン

「なんで?」

ミシマ

「は?」

リーマン

「つうかお前の店どこ?」

ミシマ

「目の前だよ。

つうかそんな事今関係ないだろ?

わざと倒したことに悪いと思ってねーのか?」

リーマン

「俺が倒したって証拠あるの?」


ミシマ

コトバを失う晩秋の赤坂。

こんなザ・酔っ払いは初めてかもしれない。

コント「酔っ払い」だ、これじゃ。



こんな繰り返しが10分くらい続いた。

店長は、おそらく数年ぶりにキレたんだろう。

俺の後ろでなんか言ってるがもう俺の耳に入らない。

そんなことを繰り返すうちに

熱が上がり俺も汚い言葉を浴びせまくった気がする。

もう覚えてない。


気がつけば

リーマン

「悪いと思ってるよ。じゃあな。」

ミシマ

「じゃあなじゃねーわ、ばか。」


ふ~ なんだったんだ、あいつマジで。

しかも最後の去り際に

リーマン

「明日食べにいくから覚えとけよ。」


だって。


ミシマ

「お前がだ!!来たら麵大盛りに

餃子もつけたるわ!!」

って言えば良かったなぁ。


あぁ胸糞悪いなぁ


あんなオチセリフ来るとは思わなかったなぁ。


やっぱ素人の人って面白いよなぁ。


っていう一日。

みなさん飲んでも飲まれちゃいけませんよ。