あなたの頬に、あなたの過去を | 15でオカマ オカマで女優

15でオカマ オカマで女優

ドラマチックに咲いてほしい性転換後

今私の高校の人たちは体育祭に向けて、
暑いなか練習に励んでます。

私は…瞬時の日焼けも許せず、
そんなものには興味がないのだけれど…。

きっと何の障害もなく、
性別の困惑をしらない人は
この夏も大切なのでしょうね。
おおよそ、性同一性障害者の私には
分からない世界です。


「高二の夏は天王山」
学校の先生がそう言っていたけど、
私の場合はこの惰性の高校を過ぎたあと、
やらなくてはいけないこと、
やりたいことがたくさんある。

だから、これから北国で花の女子大生LIFEが送れるように、
この夏は体育祭もいとわずに
大学からのために精一杯頑張ります。

もう…姉の帰省するこの家も、
偽物の性別での高校も嫌なの。

秋田出身の人が「秋田はろくな所じゃない」と言っていたけど、
私はそうは思わない。

私のふるさとは私を捨てることが出来ないけれど、
私はふるさとを、カタワの性別と嫌な思い出と一緒に捨ててやる。

だから、北国での大学でこそいっそ花であってほしい。


北国にも花火はあるのよね。
北国で結婚する人と出会えたなら、
その人と一緒に見たいな。
空に咲いては散る花たちを。


その結ばれる人の花火に照らされる頬を見ては
私はその人の過去を目に浮かばせる。

ねぇ、本当は私
もっと前からあなたに会いたかった。
本当はあなたの青春の一隅に私がいたかった。

消える花火の音があなたの過去を閉ざすようで。
消える火薬の光が私の辛い過去を無駄にさせるようで。


私の過去知らないでしょう?
女子高生にもなれず、
迷い、迷ったこの性別を。

あなたの過去を知らないわ。
知りたくもない。
私が女じゃなかったころに
女だった人のことなんて。







今夜もやっぱり
女の子になりたいね。