若宮健嗣消費者・食品安全担当相が生食用カキの表示見直しを検討していると発表した。
なぜ、イマ?
自分自身も生カキで20年くらい前に、ひどい食中毒になったことがある。
夏場の岩ガキ。
夫婦で料理屋で一個ずつ食べ、その後吐き下しと、40℃を超える高熱で3日ほど身動きできない状態。
子供が小さかったので、親に預けて家でお互いを介護しながら、自宅で過ごした。
当時まだノロウイルスが、SRSVと呼ばれていた頃かな?
ノロウイルスはあまり高熱出ないと言われているし、夏場だったので、他の病原体が原因だったのかもしれない。
カキにあたったヒト多いと思うが、必ずしもノロウイルスだとは限らない。
ノロウイルスは実際にはカキなどの貝類より、糞便や吐瀉物を介してのヒト→ヒトへの感染のほうが圧倒的に多い。
ノロウイルス症の主な原因が貝類と言われていたのは、昔のはなし。
ノロウイルスの最終宿主はおもにヒト。
カキなどの貝類の中では、その数を増やすことができない。
ヒトが増やして、自然界に撒き散らし、またヒトに戻ってくるという因果。
アニサキスがクジラで増えて、糞便から大量の卵を撒き散らし、またクジラに戻っていくのと似てる。
貝類がノロウイルスの原因になるのは、河川流入によりウイルスが貝類に蓄積すると説明される事が多いが本当は下水!
下水の処理水には、感染者の糞便由来のノロウイルスが含まれる。
上水道と違い、下水処理のプロセスに殺菌処理はない。
ノロウイルス感染したヒトの糞便が処理水に入ったまま、河川に流され沿岸で養殖される海のカキなどの二枚貝の中腸線などに蓄積される。
多分、10年くらい前だったと思うが、食品微生物学会でカキのノロウイルス検出法についての発表を聴いた。
サンプリングの困難さ、存在量の問題でRT-PCRでも難しいという話だった。
さらに、カキの個体差が大きすぎて、同じイカダ、同じ垂下ロープでも、個体毎に全然蓄積量が違うので、何十~何百のカキの中腸線を集めるので、検体量に対するウイルス存在量が減り、検出困難になるらしい。
養殖海域の海水自体の検査。
様々な方法を試したが海水中からのサンプリング、検出は現時点で不可能という話だった。
今後さらなる知見を増やしたいという結論だったと思う。
10年ほど経ち、コロナも経験して、PCRも発達したと思うが、今でも多分難しい。
下水処理水の殺菌処理も現実的でない。
どんどん流れてくる下水を、殺菌処理するとなると、今の設備では無理だし、コストや環境負荷もとんでもないことになる。
福島原発みたいにタンクだらけになる可能性も。
有機物が少なく、透明度が高ければ、UV殺菌とか出来るかもしれないが...
欧米では、下水からコロナウイルスをサンプリングし、感染者数の目安にできらと一時期、話題になっていた。
結局、どうなったのか、どう役立ったのかは、わからない。
静電気を使ったり、円心分離したりしてウイルスを集めるとかだったと思う。
少なくとも、国内では正式な方法として確立したとは聞かない。
やっぱり大量の水から、ごく少量の1ミクロンにも満たないサイズのウイルス遺伝子を集めるのは難しいと思う。
感染者の糞便や吐瀉物はウイルスが多いので、検出は比較的容易なんだけど。
検出に関して課題は、今後の研究を待つとして、このカキの生食について、議論するのは良いが、あまりナーバスにならないように願う。
正論振りかざして、ヒステリックになり過ぎると、生レバーの時みたいに、偏った解釈で食文化を潰すことになる。
そんな愚だけはもうやめてくれ!
危険性を過大評価したら、刺身も食えなくなるよ!