あれ、もう煙草がない。おかしいな、さっき空けたばっかりだったはず。


チラリと灰皿を見ればあたしの性格と煙草の量がイヤでもわかる。


あーあ、これ吸ったらやめようって思ってたのに。


今じゃ常に吸ってないと落ち着かないよ。


あいつもやめろやめろうるさかったなー。

女なんだから、とかさ。

かっこつけてんじゃねーよ。




あたしさぁ、本当は煙草なんて嫌いなんだよね。


口は臭いし指も臭いし歯は黄ばむし体に悪いし金もかかるじゃない。


でもさぁ、イヤなのよ。


吸い終わったあと、短くなって握りつぶすじゃない。


あの瞬間、イヤなのよ。


まるであたし見てるみたいで。



短時間であっという間に短くなって。ひねりつぶされちゃう。


さっきまで可愛がってたのにもうゴミ扱い?ってさ。


だからあたしはまた新しく煙草に火をつける。


馬鹿なことしてるなーとは思う。


でもイヤ。吸い殻みたらまた吸わないと。


ほら、吸ってる間は必要としてんだからさ。



え、何、それでもやめろって?


じゃあ誰があたしを慰めてくれんの?


すごい!

と思わせる詩を作りたかった


何億人といるひとのなかから

見つけて欲しくて。


拙い文章のなかに

ちっぽけな僕がたくさんいるよ


見逃さないで


見逃さないで。


ときどき不安になるんだ


誰も僕のことなんか好きじゃないのかもしれないって


そんな夜は


やけに暗闇が目に余る。


瞳を閉じても闇、開けても闇



眩しい朝日をみたいわけじゃない

絶望の暗闇に浸りたいわけじゃない


でも日常から隔離されたようなこの暗闇から逃げ出したくなるんだ。


そうしてたくさんの詩が僕から生まれた。


本当は誰も気付かなくたって良かったんだ。


僕にも何かを表す力があるってわかりたくて。


書いては消して書いては消して。


朝になれば涙は止まるのさ。


行かないで

お願いだから。



声が出なかった。
いま少しでも声を出したら

涙が止まらなくなって悲鳴が嗚咽に変わる。怖い。


本当はわかってたよ。


貴方が私を必要としてないことは。


でも私それでいいよ?


一番じゃなくていい

好きって言ってくれなくていい

可愛いって言ってくれなくていい。


だからお願い、行かないで。


貴方だけだったの。


親ですら煙たがった私を傍に置いてくれたのは。



ねぇ、どうして置いていくなら

最初から私なんかを傍においたの。


可哀想って思ったの?


こんな私はもういらないの?


きっと、貴方は私がいまこうして考えていること、絶対にわからない。


私だっていま貴方が何を考えているかわからない。


お互いそんな風になれば、一緒にはいられないって思ったの?


ひどい、ひどいよ。


そりゃあ私は貴方の考えてることなんかわからないけど


貴方がどれだけ私を救ってくれたかわかってる?


好きって、理屈じゃ片付けられないよ。


涙、涙、涙。


こんな悲しい想いするために、貴方に会ったんじゃなかったはずよ。


もう一度、だけでいい
私の目を見て?