Bugleというと、進軍ラッパを思い浮かべます。もちろん、通常の進軍ラッパもコンパクトで美しいですが、Keyed Bugleは複雑なキー配置の機能美を感じます。

 

 

 産業革命によりピストンが開発される以前、多くのクロマティック楽器は、指で直接穿孔を抑えるか、もしくはkeyをつかってパッドで穴をふさぐ形式をとっていました。

 トランペットがスライドによりクロマティック楽器として脚光を浴びていたころ、Bugleは、キーを付けることでクロマティック楽器となりました。

 先日、書いたオフィクレイドもキー付楽器ですが、Bugleは、大きさが小さい分、つくりも繊細で、さまざまな工夫がなされています。

 大体のキー配置は同じですが、多くのBugleが独自のキーにより、音域拡張や、音程補正をしているところも興味をそそられます。

 

 スライドトランペットが機能重視であれば、Keyed Bugleは美しさ重視という感じがします。

 実際、演奏は、かなり難しかったと思います。高速なパッセージには、相当の練習が必用でしょう。

 この当時、高度な演奏家個人向けに楽器が作られることも少なくなく、一品物が多かったのも確かです。また装飾用に、すなわち演奏する目的ではなく飾るために製作された楽器もあるようです。