1900年前後に、Victory systemのユーフォニウムが世に出ました。

この、いかにも凄そうななめのシステムとは、とんなシステムなのでしょう。

 

 

Victory systemとは、2つの調のための完全なサブ管を備えたシステムです。

 

ここでいうサブ管とは、各ピストンについているピストン押下時に有効となるピストンです。

 

通常、サブ管は1番ピストンが1音、2番ピストンが半音、3番ピストンが1音半、4番ピストンがある場合は2音、音を下げる長さがあります。

 

しかし、サブ管を複数押すと、ピッチが高くなるという問題が発生します。なぜなら、そのサブ管でのピッチは、その楽器の調にとってのピッチであり、元来、普遍的なピッチなどないからです。これは、世の中に純正率や平均律などが存在することからも明らかです。

 

即ち、そのサブ管は、その楽器にとって、最も適当であろうピッチですが、複数ピストンを押してサブ管が複数使われると適当であったはずのピッチがだんだん上がっていきます。

 

これは、一本では微妙であっても重なり合えば、問題になるということです。

 

金管楽器を奏するかたならお解りのように、通常使う範囲であれば、唇でのピッチ調整で何とかなる(空調とか息で温められたことによるピッチの狂いの方がよほど大きい)でしょうが、ユーフォニアムやチューバで極低音を求められる場合、即ち4番ピストンと一緒に他のピストンを使う場合、唇のピッチ調整では難しいものがります。

 

そこで、現代では、コンペンセイティングシステムが用いられているのが普通です。

 

コンペンセイティングシステムについては、様々なところで説明されているので、あえてふれません。

 

ここでは、Victory systemについて説明します。

 

説明と言っても、何も難しい事ではなくて、4番を押すとそれぞれのピストンで、別のサブ管が有効となり、管の調、それ自体が変わってしまうとう仕組みです。

 

一般的なB♭管であれば4番を押すとと完全なF管になってしまうというシステムです。

 

当時のBEESON & COで採用されているのは、以下のようなやり方です。

 

4番が押されていない時は、マウスピースからの息は、4-1-2-3-4 の順に通り抜けます。この時1,2,3番ピストンのサブ管はB♭管のものが有効となり、4番ピストンのサブ管は息が通りません。

4番が押されるとマウスピースからの息は、4-3-2-1-4の順に通り抜け1,2,3番ピストンはF管のものが有効になり、そして4番ピストンのサブ管も息が通ります。

 

簡単に言ってしまえば、ダブルホルンのユーフォニアム版ですね。

 

勿論、その分、管は増えますし、バルブは長くなります。当然重量も重くなるし、バルブも重いでしょう。

 

そんな訳で、今はコンペンセイティングシステムにとって変わられてしまったのかもしれません。(発明当時は、特許の問題もあったかもしれません)