今回で3回目 「その5」の中間地点

 

では、どうぞ

 

◆1枚目はBimbonifon、ロータリーを使った美しいフォルムの楽器です。しかし、複雑すぎると製作も修理も大変でしょう。

 

 ANONIMOが1850年に制作したと記述されている。

 

 7つのバルブを持つこの奇妙な楽器は、木管的運指システムをもつ直立したFバスバルブトロンボーンです。

「Horns and Trumpets of the World: An Illustrated Guide」(Jeremy Montagu著)より

 

◆2枚目はテナー・バルブ・トロンボーン ventilはドイツ語でバルブ、posaunaも同様にトロンボーンを指します。制作者であるFRANZ WENZEL LEIBELT については、色々調べましたが不明、1850,1855と2時期、オーストリアのブリュッセルで作製されたとされていますが謎が多い楽器です。

 

◆3枚目は、コントラバストロンボーンです。

ベルの後ろの菅が2重で、バルブより先の菅がやたらと複雑なのは、管全体が長いコントラバスの特徴でしょう。C.MAHILLONが誰かは不明ですが、Charles Bormee Mahillonという人物がSaxが設立した工場を1836年に引き取り、Victor-Charles Mahillonにより1999年まで楽器製造を行っていた事を考えると、この楽器も、そこで製作された可能性が高いと思われます。

 

◆4枚目は、ロータリーバルブのテナートロンボーンです。

ロータリーバルブというのが珍しいかと思い描きました。制作者については、ほとんど情報もありませんでした。ストラスブルグ産というのも珍しい感じがしまします。

ベルには”GH ROTH / STRASBOURG / S”とスタンプされているようです。

 

◆5枚目は、ヘリコンバスのようなコントラバストロンボーンです。単純に形が珍しくて描いてみました。メーカーは、BOOSEYです。

この楽器と直接関係があるかどうかわかりませんが「A History of Trombone」という本の中に以下のくだりがあります。

 

Courtoisは英国のメーカーでトロンボーンを販売し、Bessonは、そのロンドン支店であった。Boosey& Co.は、1862年にBesssonのコントラバストロンボーンの特許権を取得し、1868年にDistin & Co.を買収し、金管楽器の大手のメーカーとなりました。

 

BOOSEYとBessonの間に、こんな取引があったとは、19世紀は、楽器メーカーにとって複雑な時代であったと思います。