ワラ納豆作りに挑戦してきました。
お伺いしたのは西麻布の
EAST WORKSさんの
農薬不使用の熟成藁づ納豆作り。
貴重なワークショップです。
講師は四谷で発酵食品の飲食店を営み
ワラ文化を後世に残す会に
所属してらっしゃる村上昭次郎さん。
納豆は発酵食品で健康食品であることは
日本人であれば誰でも知っていることですが
本物の納豆の作り方をご存知ない方は
若年層に多いのではと思います。
納豆の発祥は様々な説があり
弥生時代の炉で温まった住居内に敷いた藁に
落ちた大豆が自然発酵して納豆が誕生した説。
飛鳥時代に
聖徳太子が愛馬に与えていた煮豆が残り
藁に包んで保管していたら
自然発酵して納豆になった説
などがあるようではっきりしたことは
分からないようです。
この話からも分かるように
最近の納豆はプラスティックや紙の容器で
販売されていますが
昔ながらの製法はワラで作ります。
私は市販のワラ納豆(下記写真)を食べていますが
ツーんと鼻にくるような嫌な匂いもなく
あまりネバネバしていないのが特長です。
ワラ納豆は臭くないんですよね。
とても美味しくて
プラスティックや紙容器の納豆は
食べられなくなってしまいました。
納豆菌はワラにいて枯草菌(こうそうきん)の一種。
どんなワラでも約１０００万個もの納豆菌が棲息し
空気中にも浮遊しています。
納豆菌は様々な菌の集合体で
市販の匂わない納豆や
粘りが強い納豆というのは
菌を組み合わせて作っているのだとか。
＊こちらはいつも食べている市販のわら納豆。
また、納豆菌は人智を超えた菌。
その所以は１００℃でも
マイナス１００℃でも死なず
酸やアルカリにも反応せず
宇宙空間で３年も生きていたとは村上さん談。
強靭な納豆菌は
食後の消化時に死滅せず
そのまま胃まで届きます。
2011年の理研、筑波大学、慶応大学、
水産総合研究センターが協力して行った
水中のセシウムを微生物に吸収させる試験研究では
「納豆菌、酵母菌、乳酸菌を混合した微生物資材は
セシウムを積極的に吸収し
水中に溶けやすい形に変えた」
という研究結果が発表されました。
この研究では放射能が半減したそうです。
微生物の力ってすごいですね。
ということは
土にいる微生物も放射能を吸収する
ということです。
１月に参加した
東京大学大学院農学生命科学研究科の
「放射能の農畜産物等への影響についての
研究報告会」でも
同じようなことを発表していました。
納豆はワラでなくとも作れるそうで
例えばハーブのミント。
茎ごとワラのように使うようで
ミントの味は全くせず納豆になるそうです。
どんな植物にも枯草菌はいるということです。
土にも枯草菌はいて土を腐葉土にし
土壌病害を防ぎますので
土壌状態は人間の腸内環境と同じだと
言われるのはこのためです。
インドネシアの大豆発酵食品テンペは
自宅でも作れますが
本場ではハイビスカスやバナナの葉の
白カビの一種であるテンペ菌で作ります。
２本納豆を作りましたが
１本は上の写真のようにワラ紐を編んで
ワラを縛りました。
このワラ紐が難しくて不器用な私は
とうとうできず
作ってもらっちゃいました(苦笑)。
ワラの香りがとても心地よく
納豆菌を触りながらワラ包を作るので
鼻や口から納豆菌が体内に入っていると思いました。
ということは強い納豆菌なので
食べることのみならず
触ることでも健康に貢献しているのですね。
ワラ納豆作りは結構力が要るので
昔の農家さんは本当に重労働だったのだなと
新ためて感じた熟成藁づ納豆作りでした。
＊追記ですが納豆キナーゼの健康効果のエビデンスはまだ研究段階で解明されていないそうです。
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