クリスマスの時期に卵のお話です。毎年恒例のイルミネーションは明日以降にアップしまして真面目なお話です。前回の記事で少し触れました国によって違う卵の安全基準。もう少し詳しく皆様へお伝えしますね。

前回の記事はこちら⬇︎

何が正しくて何が間違っているかより 自分自身を良く知ることが大事


どんな卵を選んでいますか 

私が食べている卵はファーマーズマーケットのむぎの会で購入している有精卵、放し飼い、餌は農薬不使用の青菜で常温保存の卵。とても美味しくて他の卵は食べられなくなってしまいました。この放し飼い有精卵は常温保存で約1ヶ月美味しく頂くことができます。むぎの会のご主人曰く、この卵は卵アレルギーの人が食べても大丈夫だったそうです。


卵は常温保存可能
私が子供の頃は卵は冷蔵ではなく常温で販売していました。しかし、いつの間にか冷蔵保存の卵が主流になり、常温保存の卵を見ることがかなり少なくなりました。有精卵であれば卵は40℃近い熱帯地方でも常温で保存可能です。

 

熱帯地方に属する島国シンガポールは、東京23区とほぼ同じ面積で農地がほとんど無く、食料品は99%近くを輸入に頼っています。国内で生産できるのが卵と魚。卵は約26%が国内生産で、私が住んでいた当時は近所に有精卵の卸業者がありました。

 

気温が40℃以上になることもあるシンガポールですが、常温で卵が保存されているのにはびっくり。新鮮なのでここでバラ売りで卵を購入していたのですが、とても美味しかったのを覚えています。もちろんナマでは食べず加熱のみでしたが、有精卵は熱帯地方でも常温保存可能なのです。

 

しかし大分前の話ですが、数年前に久しぶりにシンガポールを訪れた時、やはりスーパーでは卵を常温保存で冷蔵せずに販売していました。


日本の卵の現状 

最近放し飼い有精卵を目にすることが多くなりましたが、まだまだ日本の鶏卵は無精卵ケージ飼いが主流。日本の養鶏場の90%以上がケージ飼いです。ケージ飼いされた鶏は遺伝子組み替えのトウモロコシを餌とし、運動量が極端に少なく病気にかかりやすいため、抗生物質やワクチンなどの薬剤を接種しています。

 

日本はナマで卵を食する世界でも珍しい国。卵の賞味期限は季節によって違いますが、冷蔵保存で大体2週間が目安になっています。日本の卵の消費期限はナマで食べられる期限を表示しており、また消費期限の算出はサルモネラ菌による食中毒防止の観点から菌数の変化を基準としています。

 

冷蔵保存で15℃は57日間だそうですが、これは無精卵の算出方法です。有精卵は冷蔵保存してしまうと卵が死んでしまうため、賞味期限が短くなり悪くなりやすくなります。有精卵は条件さえ整えば孵化する卵。温かい時期であれば1週間ほど放置しても常温で孵化する可能性があるヒヨコになる卵です。卵を割ると少しだけひよこちゃんに進化しているものもたま〜にあります。

 

 

 

 

アメリカの卵の安全基準 

アメリカの卵はアメリカ農務省(USDA)が基準を設けており、殻外側に付着しているサルモネラ菌がそのまま消費者に渡らないように、衛生面の管理が厳しく決められています。近代的な最新の注意を払っていても不衛生な卵はあるという観点で管理されています。また、卵の殻は多孔性のため、条件次第では卵の殻から中へウィルスや細菌などの微生物が入る可能性もあると考えられています。

 

アメリカの卵は細菌除去のため、卵内の温度である32℃より10℃ほど高いお湯で洗浄し、さらに消毒液を含んだぬるま湯でスプレーされてすすぎが行われています。その後乾燥し、水分を取り除き出荷となります。アメリカでは卵の洗浄は法律で決められているため、洗浄しないと違法になります

 

加えて、USDAガイドラインではサルモネラ菌は殻の外だけではなく、黄身にも存在しうるという考えで、オーガニックの卵といえどもサルモネラ菌に感染している可能性はあり、抗生物質も与えていないオーガニック卵の方が菌に感染している可能性が高いと指摘している人もいます。

 

 

イギリスを含むEUの卵の安全基準

生まれたての卵の表面はクチクラという薄い膜で覆われています。新鮮な卵は表面がザラザラしていますが、これがクチクラ。クチクラはウィルスや細菌など微生物が卵内に侵入するのを防ぐ役割をしています。洗浄によってこのクチクラが失われてしまうため、イギリスとEUの多くの国では洗浄は法律で禁止されています。これが良い農業管理を促すという考えです。

また、細菌は乾燥した卵の殻は通過できないのですが、水分が加わると細菌が増える原因になり、サルモネラ菌などの病原体を通過させる媒介になるという考えもあるそうです。このことから、中途半端な洗浄処理はむしろ安全リスクが高まるとして、イギリスとEUの多くの国では卵の洗浄が禁止されました

また、スイス、スウェーデン、フィンランド、ドイツ、ベルギー、オーストリア、オランダではケージ飼いは禁止され、平飼いやエンリッチドケージという動き回れるケージ飼いが義務付けられています。平飼いということは無精卵ではなく有精卵が主流ということにもなります。こちらはEU圏ではありませんが、2022年にはニュージーランドもケージ飼いの禁止が決定しており、アメリカとオーストラリアでもケージ飼い廃止が決定している州があります。


どちらの卵が食べたいですか? 

アメリカとヨーロッパの卵の安全基準はこんなにも違います。日本はどちらかといえばアメリカの基準に近いと言えます。ケージ飼い・無精卵・殺菌洗浄のアメリカ。平飼い・有精卵・無殺菌無洗浄のヨーロッパ。ヨーロッパが好きだからという理由ではありませんが、私はやはり平飼い・有精卵・無殺菌無洗浄のヨーロッパの卵が好みです。


卵の鉛汚染
以前イギリスの高級スーパーWaitrose(ウェイトローズ)でオーガニック卵が回収されたことがありました。理由は卵が鉛に汚染されていたことが判明したからでした。卵を産んだ鶏が鉛中毒だったようです。イギリスは紳士の嗜みで狩猟が盛んです。日本は散弾銃に鉛玉は禁止なのですが、イギリスは鉛玉が使われています。

放し飼いにされた鶏が狩猟で使われた鉛玉を誤飲して、卵が鉛汚染されたのですが、この事件があってからイギリスでは放し飼いではなく平飼い(鶏舎内を自由に動き回れるようにして飼育する方法)が主流になったようです。ヨーロッパでは放し飼いより平飼いが多いのはこのような理由が一因のようです。

 

 

日本では1パック10個で100円の卵も販売されています。一体どのような飼育方法にすればこんなに安価に卵が販売できるのか不思議ですが。。。どちらを選択するかは自由。健康と地球環境どちらにも良いものを選びたいですね。

 

 

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★平飼いまたは放し飼い有精卵は常温保存がオススメです。日持ちがするので多めに購入しても大丈夫です。

 

 

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