TOKYO ECO & ORGANIC LIFE
  写真は掲載許可を頂いております。

 

 前記事に引き続き「世界一受けたい授業」に出演してらっしゃるアンチエイジング医学の第一人者、順天堂

 大学白澤卓二教授の機能性医学講座の内容シェアです。テーマは「反応性低血糖を克服する」。前回は糖質

 中毒 についての内容でしたが、今回は糖質中毒の禁断症状のメカニズムに関係してくるインスリンと糖質中

 毒から抜け出すために有効なケトン体についての内容です。


 前後しましたが、反応性血糖とは何かについて触れておきます。反応性低血糖の症状として診断された場合

 の病名は反応性血糖症反応性血糖症とは、糖質を含む食品を摂取した後に急激に血糖値が上昇し、大体2

 ~3時間という短時間で標準値である80mg/dl未満に急に下降するタイプの症状です。この時、血糖値を

 上げようと副腎髄質よりアドレナリン等ホルモンの分泌がされ、精神面や体調面で様々な症状が出るのが反

 応性低血糖症です。前回記事の最後の部分「糖質中毒の禁断症状 」がこの反応性低血糖症です。


 前出のアドレナリンとは、自分の意志で動かせない部分を体が自動的にコントロールするための自律神経の

 うち、興奮・緊張した時に強く働く交感神経の働きを高める神経伝達物質をいいます。


 因みに副腎髄質とは、腎臓の上の左右一対ある副腎と呼ばれる臓器から分泌されるホルモンのことで、アド

 レナリン(エピネフリン)、ノルアドレナリン(ノルエピネフリン)、ドーパミンの3種類があります。


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 さらに具体的に説明しますと、

 1.糖質を含む食品を食べると血糖値が上昇します。


 2.血糖値が上昇すると、血糖値を制御するためすい臓からインスリンが分泌されます。

   ここでいうインスリンは血液中のブドウ糖を細胞に取り込む働きをするホルモンのことです。


 3.インスリンは血液中のブドウ糖の濃度、つまり血糖値に応じて分泌され、食事をして糖質を多く摂取す

   るとインスリンの分泌量も増加します。この時に糖質とインスリンが結合して体内に脂肪として蓄えら

   てしまいます。これが体重増加、メタボリック症候群、肥満、高脂血症となります。


 4.糖質を多く摂取し急激にインスリンを上げるような食生活をしているとインスリンを分泌するすい臓の

   β(ベータ)細胞の働きが弱ってしまい、分泌が減ったり、効き目が弱くなったりします。これが糖尿病

   です。


 5.加えて上のグラフをご覧下さい。糖質を含む食品を食べて、急激に上昇した血糖値は赤い矢印のように

   短時間約2~3時間後に50mg/dlまで下がっています。これが反応性低血糖で、この時の症状が反応

   性低血糖症となるわけです。


 6.さらに詳しい症状としては、頭痛関節痛目の奥の痛み手足の震え寒気ふらつきイライラ

   異常な眠気集中力の低下蕁麻疹不安感恐怖感自殺観念不眠などです。そしてこれらの症状

   を精神的なものとして心療内科で診察を受けると、鬱・統合失調症・パニック障害・自律神経失調症・

   摂食障害・自殺願望・精神不安と診断されるケースがあり、長年これらの薬を飲んでいたら、実は反応

   性低血糖症だったなんてことも実際のところ多いようです。


 7.結果的に上記症状は、非社会的又は反社会的行動、健忘症、優柔不断、性衝動の欠如、インポテンツ、

   不機嫌、溜息とあくびが多い、夜驚、悪夢、耳鳴り、体臭や口臭、癇癪もち、突発性発熱などの症状へ

   と発展していきます。


 8.これが子供となると、よく言われるキレやすい子供、登校拒否、注意欠陥、多動性障害(ADHD)とな

   り、最近はこのような子供が多い傾向にあります。しかしその子の性格ではなく、実は糖質の獲り過ぎ

   が原因だったなんてことも実際多いのではないでしょうか。


 数年前にGI値が話題になりましたが、GI値(Glycemic index)とはブドウ糖を摂取した後の血糖値上昇率を

 100として示す、血糖値の上昇率の指標です。GI値の低い食べ物を食べれば、血糖値が急激に上昇するこ

 とを防ぎ、インスリンが上がることも防げます。


 ここで糖質中毒の禁断症状いわゆる反応性低血糖症の救世主となるのがケトン体です。

 糖質を摂取すると、ブドウ糖に分解されエネルギーに変換されます。このブドウ糖を使い果たして枯渇した

 時に作られるのがケトン体です。このケトン体が体内の脂肪を分解して、新たなエネルギー源を生み出しま

 す。よってケトン体が形成されている人は糖質を摂取しなくとも、体内の脂肪でエネルギーを作りだすこと

 が出来ます。痩せている人のほとんどがこのケトン体を使ってエネルギーを作っているそうです。


 お米を食べるようになったのは、農耕が始まってから。その前の新石器時代は糖質を摂取できる食べ物がほ

 とんどなく、糖質摂取は非常に困難でした。よって原始人はブドウ糖はなく、ケトン体をエネルギー源とし

 ていました。


 ケトン体でエネルギーを作るようになると、体が栄養分が足りない危険な状態であると判断して、それまで

 眠っていた長寿遺伝子が動き出し、細胞の劣化を防ごうと活発に活動を始めます。細胞の代謝が活発になり、

 体の老化速度が遅くなって若返るということです。ケトン体は抗加齢(アンチエイジング)にも一役買ってい

 ることが分かります。


 毎日の食生活から糖質を抜いていくと、ケトン体の無い人でも数日でケトン体を作る体質になるそうです。

 前回の記事は脳から出る神経伝達物質ドーパミンが糖質とどのように関係しているかの内容でしたが、この

 ことから糖質オフで脳も若返り、ケトン体を使うと脳も安定してきます。

 

 出来るだけ糖質オフの食事をしてケトン体を作れば、健康で穏やかな生活がおくれるということです。

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 読んで下さって有難うございます。 
 前回はオーガニックライフランキング2位、 
 有機・オーガニックランキング5位でした。 
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