2006年にバングラディッシュのグラミン銀行ムハマド・ユヌス総裁が
ノーベル平和賞を受賞しました。
富裕層を相手に利潤追求している銀行がどうしてと不思議に思う方もいらっしゃるかもしれませんが
グラミン銀行は普通の銀行ではなくマイクロファイナンスを専門にした銀行。
マイクロファイナンスとは読んで字の如し、小口客だけを扱った金融機関で、
貧困者のサポートと事業収益の両方を追求しています。
小口客といってもかなりの小口で融資額は日本円にすると数千円から数万円台。
ご存じのように、一般の銀行は富裕層の信用がある人達だけを対象にビジネスをしていますが
グラミン銀行では貧困層を対象にした低金利・無担保融資を行っていて、
彼等の生活の質の向上に多大な貢献をしている企業。
その創設者がムハマド・ユヌス博士。
前からとても興味があったマイクロファイナンス。
そして、最近新聞やテレビでよく目にするのが、
このマイクロファイナンスの会社をアメリカの首都ワシントンDCで立ち上げ成功している、
元三菱東京銀行ワシントンDC事務所所長、現マイクロファイナンス・インタ-ナショナル
(MFIC)社長、枋迫篤昌(とちさこあつまさ)さんです。
枋迫さんは東京銀行時代に中南米に転勤になり、
中南米諸国の人々の貧しい生活を目のあたりにしました。
そして数年後、露天商と友達になり夕食に招かれました。
帰りに露天商の方のまだ小さな息子さんが、「お兄ちゃんまた来てね。お兄ちゃんが来ると
ご馳走が食べられるから。」 この子のご馳走はスープに浮かんだ焦げたような小さなお肉
だった事に愕然としたそうです。
この露天商の方とは何年も手紙のやり取りをし、ある時悲しい知らせが届きました。
「枋迫さんを慕っていたこの子がある時何日も高熱を出して寝込んでいたのにもかかわらず、
医者に診せるお金もましてや入院させるお金もなく、悲しい事にとうとう死なせてしまった。」
これがマイクロファイナンスの会社を立ち上げる大きなきっかけとなったそうです。
会社を設立するにあたって、日本にある家を売り払い財産はすべてこの会社設立のための
資金になりました。
話が長くなるので、MFICが現在どのようなビジネスをしているかのか
ご興味がある方はこちら↓をクリック。
日本人はここ数年国内にこもる傾向があり、世界で活躍しようと冒険心のある日本人が減ったと
言われています。 しかし、社会に役立つビジネスに携わりアメリカで活躍されているこんな素晴
らしい日本人の方がいらしたことを嬉しく思いました。
そして枋迫さんは、米ビジネスウィーク誌に「アメリカで最も有望な社会企業家のひとり」と紹介
されたそうです。
アメリカでの就職先人気企業は
数年前まではゴールドマンサックスなどの証券会社の投資銀行、いわいるインベストメントバンカー
でした。 しかし、現在はデロイト・トーシュなどのコンサルティング会社やプライスウォーターハウス
クーパーズなどの会計事務所、グーグルやマイクロソフトなどのIT企業。そして10位以内にTeach
for AmericaなどのNPOが2つも入っています。 お金ではなく、やりがいのある社会貢献度の高い
企業に人気がでてきているようです。
世界の有力者が一同に会して毎年スイスのダボスで行われている世界経済フォーラム。
今年2010年の1月に行われたダボス会議のテーマは
「金融危機後の世界における経済秩序、貧困、環境問題、安全保障」でした。
もちろん枋迫さんもユヌス博士も出席されました。
私も含めて、日本はというと自国のこと、自分のことで精いっぱいの人が多いような気がします。
漠然と近い将来的にフェアトレード やマイクロファイナンスに携われたらと思っていたので、
枋迫さんという日本人を知って、久しぶりに感動いたしました。