1993年2月6日、私はロンドンに1人旅立ちました。
そして1週間もたたない2月12日に英国史上、最も残酷な少年事件が起こりました。
リバプール、ストランドショッピングセンターを訪れていたジェーム・スバルガー君と、その母親。
ジェームス君は2歳。
母親が支払いをするため、つないでいた手を放した隙をついて、ジョン・ヴェナブレスとロバート・トンプソンという10歳の少年たちはジェームス君を連れ去りました。
そして残虐な方法でジェームス君を殺害したのです。
↓ショッピングセンターの監視カメラ映像
ジェームス君は2日後に、4マイル先の線路で上半身と下半身が轢断された状態で遺体となって発見されました。
ショッピングセンターの監視カメラや目撃証言などから逮捕されたのは
10歳の少年2人
裁判が近づくと、英国法務省は事件が世間に与えた重大性や世間の要求を鑑みて、両名の顔写真、経歴、本名の公開を許可。
日本では14歳以上ですが、イギリスでは10歳以上から成人と同様に刑事責任を問うことができます。
あの日のことは今でもはっきり覚えています。
私はその日、語学学校に通う地下鉄の車両の中でした。
通勤、通学で満員の車内。目の前に新聞を持った人がいました。
私の目の前に広がった、その新聞の一面には、あどけない2人の少年の写真と名前。
そして
KILLER
の文字。
こんな子供が?
1993年当時は今と違い携帯電話も普及していませんし、ネットで事件を詳しく調べることもできません。
イギリスに来たばかりの私は、まだ英語の能力も低く、事件の全貌を知ることはできませんでした。
先日、たまたまYoutubeでこの事件のドキュメンタリーを見つけ、少年2人がお互いに罪をなすりつけあっている、当時警察署で実際に録音された音声を、今回初めて聴きました。
↓↓
余談ですが、イングランドの中でもリバプールは訛りが強く、このYoutubeのインタビューもとてもわかりにくいです
犯人の少年たちは8年後に、新しい名前、身分とともに自由になり、事件発生から28年がたち2人は38歳になりました。
ジョン・ヴェナブレスは児童ポルノ所持で複数回の逮捕歴があります。
全く更生していない
児童を虐待する内容のポルノらしく、事件の時から全く性癖は変わらないんですね。
一方、ロバート・トンプソンは大きな事件を起こさず、同性のパートナーと仲良く暮らしているそうです。
こうやって改めて昔のことを考えると、今は簡単に色々な情報が手に入る世の中だなと思います。
ドキュメンタリーを見たオスカル君の感想は
ちゃんと子供を見ていなかった母親が悪い
今回、母親のインタビューを見ると
支払いのために数十秒、手を離しただけ
また、2歳のジェームス君だけでなく、3歳の子供も連れていたそうです。
ショッピングセンターの監視カメラを見ると、少年2人がジェームス君親子に狙いをつけて、後をつけていたのがわかります。
私は母親の責任とは思えない🤔
母親の手記
↓↓
I let him go
というタイトルから、今でも自分を責めている母親の気持ちが伝わります。
私が手を離した
ショッピングセンターから殺害現場までの5キロの間に、38人もの目撃者がいたそうです。
そのうちの2人は、怪我をして泣きながら歩いているジェームス君に気がつき、声をかけました。もう少しでジェームス君を救えたかもしれない人もいました。
怪我をした子を警察に連れて行くところ
と聞いて、信じてしまったそうです。
どうにかして助けてあげられなかったのか。
そして少年法について考えさせられました。
更生する/更生できない
その違いはどこで決まるんだろう🤔
2年前に短編の再現映画「DETAINMENT」として、アカデミー賞候補にもなったこの事件。
皆さんは、この事件をご存知でしたか?