亭主はこのところ耳の聞こえにどうも違和感があります。普段の会話などでは気づかないのですが、音楽を聴くとどうも中音域で妙な(原音とズレた)残響のようなものが聞こえる感じです。

そもそも何だか聴こえ具合が変だな、と思い始めたのはひと月ほど前。毎朝掛けっぱなしにしているFM放送で、ニュースの後に始まる番組のイントロで奏されるピアノの音が妙にくぐもってはっきり聞き取れない(音程がずれた残響交じりに聞こえる)ことに気づいてのことでした。初めは一時的なものかと思っていましたが、折に触れて聞こえるピアノの音が変な聴こえ方をするという症状は収まらず。

今朝も2週間ぶりにハープシコードの調律を始めたところ、ちょうど真ん中のAあたりからの音について、左耳で残響のようなものが被った音に聞こえ、そのような変調が高音側に向かって1〜2オクターブ以上現れ続けるので、調律作業にだいぶ難渋しました。

調律中に、左右それぞれの耳を順に指で塞いで楽器を鳴らしてみたところ、どうやら左耳の方で問題がありそうです。このところしばらく肩から首(特に左側)のコリが治らず、首をひねるのも辛い状態なので、もしかするとこの症状、ひどい肩こりの延長にあるびかも、などと勝手に理屈をつけていました。

が、さすがに気になって夕方ネット上で症状を検索したところ、上記の症状はどうやら突発性難聴の所見と共通項があるらしいことが判明。例えばあるサイトでは、

耳鳴り、圧迫感、音が耳障り、音がダブって聞こえる・響く、エコーがかかった(補充現象)などの症状で気づくことが多い病気です。

別のサイトでは、急性低音障害型感音難聴という病名を挙げて、

•    耳に水が入ったような感じ
•    周りや自分の声が響く
•    「ゴーッ」という低い音の耳鳴り  など

とあり、後半に書かれている症状はピタリと合っています。 さらには、

発症より1~2週間以内に治療を開始しないと治癒しない確立が高くなります。(聴力障害が高度の場合、入院治療を必要とする場合もあります。)

と恐ろしげな警告があり、何とも不安になります。とはいえ、折悪しく世の中はちょうど年末年始の連休に突入。病院も当番医以外は開いていない様子。発症からひと月以上経っていることもあり、いまさら焦ってもしょうがないと開き直ることに。

ちなみにこの病気、50〜60代に多いとのことで(こちらも符合)、原因としては「睡眠不足、ストレス、体の慢性的な疲れ、風邪など」とあり、「心や体の疲れが耳に来た状態とも言えます」とのこと。当然のことながら、治療の第一は「普段よりもゆっくり休む」だとか。

というわけで、これから1週間ほどは、やはり難聴で苦しんだベートーヴェンやフォーレに思いを致しながら「寝正月」と行きたいところですが、どうなることやら…