先日、「働く女性は保険の必要がないって本を読んだけど、そういうもんですか?」という質問がありました。
ちなみに質問頂いた方は、自営業でシングルマザーです。
似たような質問はすごく多いのですが、一般論で書かれている本の内容を、うのみにしないでくださいね~!
本の著者は、あなたの人生について本気でアドバイスして、書いていません。
FPや保険の営業により言うことが様々なのは、それぞれの信念が違うからです。
ですので、この手の本や雑誌に書かれている内容は、一旦疑うのが正解です。
保険を損得や好き嫌いで、要るか要らないか考えるのではなくて、自分の一生涯のリスクをまず知る必要があります。
人により、どんな保険が必要かは、全く違います。
今日は医療費に限定して、解説していきます。
働く女性って、ずいぶんざっくりしていますが、ここで明確にしたいのが働く形態ですね。
①正社員・正職員(企業に勤める正規の社員、公務員、職員などです)
②非正規労働者(パート、契約社員、派遣社員、アルバイト)
③自営業・フリーランス
この3つに分けて考えると、①の人の場合と、社会保険に加入している②の人は、まず病気をしてお休みが続く場合に、一定のお金が入ります。
概算で月給30万であれば、約18万(条件によりますが最長1年半まで)。
これは疾病手当金というものですが、この間当然社会保険の支払いがありますので、手取りで言えば15万くらいになるかな。
月給が低ければ、生活できるレベルではない、ということですが、ないよりマシということ。
でもね、すぐ復帰できる人はともかく、長患いの場合は、たいていの人は居たたまれなくて、1年半もらって復帰するなんて人はマレ。
途中で退職する人が多いはずです。
最近テレビCMでもひんぱんに流れているのが、働けなくなるリスクに備える保険がありますね。
これは、その疾病手当金の不足分と、疾病手当金がもらえない②の一部と、③の人の収入を補うものですね。
この収入保障保険、実は業界では結構人気があります。
主婦でも入れる敷居の低さも売り。
これまでに損保が出していた所得補償保険とちがい、実際の所得を申告しなくていいので、入りやすいし、欲しいだけ保障を用意(常識の範囲内ですが)できます。
自営業者であれば、検討の余地ありです。
ただ、保険会社によって対象になる病気や条件が異なりますので、よく選ばないといけませんね。
医療費だけを考えると、高額療養費制度といって、年齢と年収により、月額で上限を超えれば返金あるいは窓口での支払い免除などが受けられる制度です。
健康保険組合により、割合が異なることもあります。
ここで、仮に7/30から8/3まで入院したとし、上限が8万と仮定して試算してみます。
7/30-7/31にかかった費用16万円(差額ベット代、食事代3万円含む)
8/1-3にかかった費用14万(差額ベッド代、食事代4万5千円含む)
こうなると、8+3+8+4.5万円=23.5万は自己負担となります。
高額療養費はあくまでも、月単位で考えるということ、上限額までは支払う必要があること、対象外の費用があるということを抑えておかないといけないのね。
ここで長期療養になったり、たびたびガンなどで入院や治療が必要な場合、一生涯で払う金額は相当なものとなります。
ですので、仮に100万円をいざという時用に置いていても、一生で考えれば足りないというのが分かります。
医療保険やがん保険は、払い込み方法により300万から500万程度支払う可能性があります。
だから保険料を割高、と思われますが、それは入り方と商品の選定に問題があるんですね。
また今①で働く女性であっても、いつリストラ、倒産に合うか分からないし、自分の気持ちの変化や体調などにより退職をすることだってある。
さらに社会保障の制度は、いつまでも同じではない。
10年先、20年先に高額療養費があるかどうか、何の補償もありませんよね?
いつまでも今の状態をキープできると思うのは、危険です。
保険というのは、何が起こるか分からない時に自分で対応できないリスクに備えるもの。
つまりリスクの読めないことであるのに、保険に入らないというのは、危険極まりないわけですね。
更に、健康でないと保険は入れません。
病気になって、高額な治療費を払って、「やっぱり入ろう」と思っても、それこそ保険料が高いものしか入れない、あるいは、それすら入れないという状態になります。
多くなくていいから、最低限の保障を持つスタンスを忘れないようにしてくださいね。