#100分de名著 #ルボン #群衆心理 #武田砂鉄 #nhk出版


 目の前の日本社会 でスポーツナショナリズム に #群衆 が燃えさかる中での読書になりました。

#NHK #Eテレ の「100分de名著」、ル・ボンの「群衆心理」を解説した武田砂鉄が好評で、11月はアンコール放送です(録画済み未見)。


 武田砂鉄による解説書は面白かったです。

 近年の #ネット炎上 #トランプ現象 と「群衆心理」との相関を解きほぐします。

 その上で武田砂鉄は「私をも疑って欲しい」「100分で名著は分からないから」と結びます。


 では「群衆心理 ル・ボン #講談社学術文庫 」へ。


 総じてストレスの多い読書でした。

 歴史的な意義は大きい古典なのでしょう。

 しかし「群衆心理」分析の「始まり故に足らない」と思います。

 ル・ボンは群衆は屈従を選ぶと断言します。

 しかし、 #ドゥルーズ #ガタリ のように「なぜ人は自ら隷属する道を選ぶのか」という「なぜ」という問いは発しません。


また、ル・ボンは人類の発動力を「民族の伝統」だとします。

 これでは民族は宿命性を帯びるし、その歴史はのっぺらぼうになるしかないでしょう。

 人類の発動力は直接的生命の生産とその再生産です。

 それにともない経済も産業構造も生産様式も変化します。

 ル・ボンはフランス革命も群衆の熱狂の結果としか見ません。

 その土台にある資本主義生産様式の発展など一顧だにしないのです。


ならば「群衆心理」が保守的であることについては、その後の #エーリッヒフロム の「 #権威主義的パーソナリティ 」を参照した方が1万倍マシです。

さらに「 #再生産について #ルイアルチュセール #平凡社ライブラリー 」や、 #ドゥルーズガタリ の共著群を読む方が1億倍マシです。


 とはいえ、「群衆心理」に効果があるのは「断言・反復・感染」というル・ボンの指摘は中々なもの。


 スポーツナショナリズムについていえば、サッカーファンが熱くなるのは構わないのですが、広告代理店が主導してNHKが「サムライブルー」うんたらといい始めたら注意すべきでしょう。

 小泉純一郎が「構造改革」といい始めて群衆が熱狂する。

 日本維新の会が「公務員削減」「議員定数削減」と断言して群衆を熱狂させる怖さ。

あるいは「GODIVA」の広告戦略に乗せられて、高級チョコだよねと信じ込むことの恐ろしさ。

 ル・ボンの「群衆心理」を読むと、こうした危険な「断言・反復・感染」への牽制にはなります。


ただ、「私の記事を疑え」、そして「名著を実際に読んで」という武田砂鉄に答え・応えたい。


「『群衆心理』はもはや名著としての役割を終えている」


「乗らないこと」の大切さは学べますが、それはNHKで「名著」だと謳われても素直に信じてはいけないこととも通ずるのでした。


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