それから3ヶ月後、向氏の出産が間近に迫っていた。
威后は大王に向氏を預かりたいと申し入れ、巫女に祈願をさせるつもりだと告げる。
喜んだ威王が許可すると、すでに陣痛が始まっているにもかかわらず向氏は移動させられてしまう。
莒姫は付き添いたいと懇願したが追い返され、やむなく大王に直談判した。
莒姫から覇星を守るためだと説得され、威王は直ちに王后宮へ向った。
慌てて寝所から出て来た威后は、向氏の出血が酷く危険だと報告する。
寝耳に水だった威王は激怒すると、危険を感じた莒姫は寝所の中に入りたいと頼んだ。
するとその時、元気な赤子の泣き声がする。ミーユエ王朝を照らす月 DVD
しかし産まれたのは男子ではなく、女子だった。
威王は唐昧を呼び出し、天下統一する覇者がなぜ女子なのかと叱責した。
唐昧は性別まで分らなかったと話し、男子なら確かに覇者となるが、女子ではそれが幸か不幸か分らないと答える。孤高の花 DVD
驚いた威后は、不吉な公主をすぐに始末するよう進言した。
威王は黙認するが、それでも怒りは治まらない。
そこで衛兵を呼びつけ、唐昧の目をくり抜いて辺境に捨てるよう命じた。
その夜、莒姫宮に玳瑁が現れた。
玳瑁は威后の命だと断って向氏の赤子を取り上げると、籠に入れて宮外へ流れる川に投棄してしまう。
向氏は産後間もない身体を押して、必死に我が子を捜し回った。
すると庭園の少司命(ショウシメイ/人間の寿命をつかさどる天神)像の池でひっくり返った籠を発見する。
向氏は赤子がすでに死んだと思い、絶望から泣き叫んだ。ミーユエ王朝を照らす月 DVD
侍女たちは今にも飛び込みそうな向氏を必至に引き止めていると、そこに散策中の威王と威后が通りかかる。
騒ぎに気づいた威王は顔をしかめるが、その時、赤子の泣き声が響き渡った。孤高の花 DVD
実は籠から落ちた赤子は偶然にも少司命像のそばにある蓮の葉に守られ、助かっていたのだ。
向氏は我が子を抱き上げて像の側に立つと、その姿を見た威王はなんと幸運な子供かと感嘆した。
あの赤子が覇星かどうかは分らないが、少なくとも福とは縁があるようだ。
そこで威王は今宵の輝く月光にちなんで、公主の名を"月"と決める。