第62回メフィスト賞を受賞した作家・弁護士の五十嵐律人による法廷ミステリー小説を、アイドルグループ「King & Prince」の永瀬廉主演で映画化。
弁護士を目指してロースクールに通うセイギこと久我清義(きよよし)と、同じ学校で法律を学ぶ幼なじみの織本美鈴、2人の同級生でロースクールの学生たちが行う「無辜(むこ)ゲーム」と呼ばれる模擬裁判を司る天才・結城馨は、共に勉強漬けの毎日を送っていた。無事に司法試験に合格し、弁護士となった清義のもとに、ある時、馨から無辜ゲームをやろうという誘いがくる。しかし、呼び出された場所へ行くとそこには血の付いたナイフをもった美鈴と、すでに息絶えた馨の姿があった。この事件をきっかけに、3人をめぐる過去と真実が浮かびあがっていき、事態は二転三転していく。
これは一切ネタバレ無しで見た方が面白いと思うので、ストーリーに関しては書きません。
原作者の五十嵐律人さんは、弁護士ということで、あくまでも「法で裁く」ことにこだわった作品。
死んだ人間の無実を証明する
被害者と加害者が一瞬にして入れ替わってしまう
そのトリックは面白かったですね。
短い時間に、とてもよくまとまっていたと思います。
しかしこれほど「怨」とか「恨」の念を感じない復讐劇も珍しい。
韓ドラに慣れている私からすると、あまりにもあっさり風味で、びっくりです。
犯人側に多くのことを委ね過ぎじゃない?とも思いました。
弁護士を目指してロースクールに通うクラスメート3人。
セイギこと久我清義(きよよし)を演じた永瀬廉君は、
ちょっと線が細すぎましたね。
あまりにも覇気がないというか、ぼ~っとし過ぎじゃないですか?
「一見穏やかに見える」「正義の人」というキャラなんでしょうけれど、もう少しメリハリが欲しかったです。
ロースクール在学中に司法試験に合格した天才・結城馨を演じた北村匠海君は、感情を抑えた演技が効いていました。
美鈴を演じた杉咲花さんが、やはり抜きんでていたでしょうか。
終盤、感情を爆発させるところなど、引き込まれました。
ただ、この3人とも、なかなか壮絶な子供時代を過ごしてきたはずなのに、そのあたりの描写がわりとサラッとしているので、全体的に薄い印象になってしまいますよね~
韓ドラだったら、それはそれはコッテリと描くことでしょう。。。
法律家の目から描いたストーリーだから理路整然としているのかな?
感情に訴えない、ということで。
1つ気になったのは、冒頭の「無辜(むこ)ゲーム」ですね。
「携帯の画面を割ったのは誰か?」とか、議題がチープすぎませんか?
まぁ、日常のあらゆることを模擬裁判する、ということかもしれませんが、小学校のホームルームじゃん。
そんな洞窟に集まってやるほどのことじゃない。
その議題を出した藤方賢二役の戸塚純貴君の演技も、まるでチンピラみたいで、いやいや、その演出はどうなの?って思ってしまいました。
始まりがこれだったので、ちょっとテンション下がりました。
海外の裁判の判例を検証するとかさ、もっと頭脳明晰な感じ出してほしかったです。
あと、ロースクールの教授役の柄本明さんが、何か鍵を握っているとかあるのかな?と期待しましたが、違いましたね(苦笑)
でも、謎解きが進み、過去と現在が繋がっていくストーリーは、とても面白かったです!!