デシベル | akaneの鑑賞記録

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大都会の釜山に仕掛けられた、音に反応する特殊な爆弾を用いたテロとの手に汗握る攻防を描いたパニックアクション。

韓国有数の大都会・釜山のある一軒家で、爆破事件が発生。そのニュースを目にした元海軍副長カン・ドヨンのもとに、一本の電話がかかってくる。それは爆破事件を起こした犯人からのものだった。犯人は次のターゲットがサッカースタジアムであることを知らせ、通報したり観客を避難させたりしたら、爆弾はすぐさま爆発すると脅してくる。そして、そこに仕掛けられた爆弾は普通のものではなく、周囲の騒音が一定のデシベルを超えると制限時間が半減して爆発するという特殊なものだった。ドヨンは事態を把握する間もなく、5万人の観衆で埋め尽くされたスタジアムへ急ぐ。仕掛けられた爆弾を捜索するなかで、犯人がドヨンを脅迫してきた理由や、事件の意外な真相が次第に明らかになっていく。
 

 

 



キム・レウォンさんとイ・ジョンソクさんのダブル主演ということで、非常に楽しみにしていました!!

韓国映画お得意の、ノンストップムービー。

ずっと緊張感が途切れずハラハラドキドキ!
 

 

 

カン・ドヨン役のキム・レウォンさんは、「ファースト・レスポンダーズ」の熱血警官っぽいキャラですね。

 

 

見た目も端正で、行動力があり、部下の信頼も厚く親しみやすいキャラ。ちょっとガサツで時には暴走するけれど、リーダーシップのあるタフな男性です。

 

 



イ・ジョンソクさんは、クールな言動と内に秘めた激情が非常に良かったです。

 

 

 

 

彼は元々ファッションモデルでアイドル事務所出身でしたし、見た目も可愛らしいので、学園ドラマやラブコメでの活躍が目立ちましたが、「V.I.P. 修羅の獣たち」「THE WITCH/魔女 -増殖-」「ビッグマウス」など、近年はかなりダークな役を集中的に演じていて、完全に王子様路線は卒業した感じです。
元々演技力がありますし、今後は映画中心に活躍するのかもしれませんね。
 

 

 


客席に妙齢のご婦人方が目立って驚いたんですけど、ASTROのチャウヌ君が出演していたからかな?
(日本でのK-POPって、この年齢層が支えているのかしら?10代20代の女の子とかいないのね。)

 

 

確かに端正な顔立ち

(まつげ長っ!)

 

 

彼も非常に重要な役どころなんです……その真っすぐな眼差し、誠実さに敬礼。

 

 

 


ある民家で爆破事件が発生。
そしてカン・ドヨンの携帯には、犯人から電話がかかってきます。

 

 

 

次の爆破現場はサッカースタジアムであること、この先も犯人と通話をしたければスマホに指定のアプリを入れること(他の通話は一切できなくなる)、通報したり観客を避難させたらすぐ爆破すると告げられます。

 

 


満席のスタジアムでは日韓戦の真っ最中!
そしてこの爆弾は、100デシベルを超えると残り時間が半減するのです!

急ぎスタジアムに向かい、指定された座席を確認しますが、爆弾らしきものはありません。
犯人との会話を続けるうちに、ターゲットは貴賓室と直感したカン・ドヨンは、危機一髪でVIP達を救いました。

 

 

 


スタジアムで知り合った記者のオ・デオ(チョン・サンフン)

 

 

たまたま息子とサッカーを見に来ていただけなのに、焦って走り回るカン・ドヨンが気になって声をかけたために、巻き込まれて行動を共にする羽目に。


彼の存在がとても大きかったですね。
ヘタレでコミカルで、巻き込まれて大変!なキャラなんですけど、やることはやるし、最後までに諦めずにみんなを守ろうとするし、記者としてはビシッと決めて来るし、非常に良かったです。

 

 

韓国映画って、熱血主人公に対して、こういう少しコミカルなキャラを絡ませてくるのがとても巧いと思います。
 

 

 

 


その後も次々と、子供たちが遊ぶ公園、

 

 

 

プールと、人が多く集まる場所を指定され、翻弄されるカン・ドヨンの脳裏に犯人として思い浮かんだ1人の青年。

 

 

 

 


1年前、カン・ドヨンは海軍副長として潜水艦ハルラに乗り込み、44名の乗組員と共に米軍との合同演習を行っていました。
ドヨンは見事、魚雷を命中させ、意気揚々と帰還途中、ハルラは謎の魚雷に追われて座礁してしまいます。
折しも台風が接近しており救助には思った以上の日数がかかってしまい……という辛い事故がありました。
 

 


CGではなく、実際に爆発させたという爆破シーンも迫力満点!!
思わず椅子から飛び上がってしまいました。
スタントなしに挑んだアクションも迫力がありました。

 

 

 

非常に緻密な潜水艦内部も全て、セットで作り上げたそうです。

 

 

 

 


ただ韓国映画に対する期待度が高くなりすぎってのもあるんですけど、あと一息って感じだったかな。

予告編はちょっと良くできすぎ(笑)

 

サスペンスとアクションと人間ドラマのバランスが惜しかった。
どうしても「ちょっと逆恨みが過ぎないか?……」って思っちゃうから。
もちろん、無差別テロのように見せかけているけれどターゲットは絞っているし、爆発させずに収拾する方法も残されているから、そういうところの犯人の気持ちも分からなくはないんですが。

 

 

 

 

 

 

本当に悪いのは事件を隠蔽しようとした国家なわけなんですが、犯人、カン・ドヨン、国家を繋ぐストーリーがもう少しうまくいくと良かったかも。

 

この事件を捜査している軍事安保支援司令部の描写がイマイチよくわからない、というのも原因でしょうか。






この映画のテーマは、いわゆる「トロッコ問題」です。

制御が効かないトロッコ。進む先には、5人の作業員がいます。進行方向を変えるレバーの前に立つあなた。レバーを引けば線路が切り替わり5人を救えますが、今度は切り替えた先にいる1人の作業員が犠牲になってしまいます。
暴走トロッコを前に、あなたは5人の作業員と1人の作業員、どちらの命を救うのかという選択問題。


この問いに正解などありません。
このような状況に置かれた時、苦渋の決断をせざるを得ない指揮官の苦悩。受け入れる乗組員。
そのシーンは、本当に辛かったです。
そしてたとえ生き残ったとしても、その方が地獄の日々を送るかもしれません。




日本人は比較的、判断に伴う責任から逃れようとし、自分は行動せず(レバーを引かず)5人をそのまま犠牲にする選択をする方が多いそうです。

なんか分かりますね。