ラーゲリより愛をこめて | akaneの鑑賞記録

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二宮和也が主演を務め、シベリアの強制収容所(ラーゲリ)に抑留された実在の日本人捕虜・山本幡男を演じた伝記ドラマ。作家・辺見じゅんのノンフィクション小説「収容所(ラーゲリ)から来た遺書」を基に、「護られなかった者たちへ」「糸」の瀬々敬久監督がメガホンをとった。

第2次世界大戦後の1945年。シベリアの強制収容所に抑留された日本人捕虜たちは、零下40度にもなる過酷な環境の中、わずかな食糧のみを与えられて重い労働を強いられ、命を落とす者が続出していた。そんな中、山本幡男は日本にいる妻や子どもたちのもとへ必ず帰れると信じ、周囲の人々を励まし続ける。山本の仲間思いの行動と力強い信念は、多くの捕虜たちの心に希望の火を灯していく。

山本の妻・モジミ役に北川景子、山本とともにラーゲリで捕虜として過ごす仲間たちに松坂桃李、中島健人、桐谷健太、安田顕。
 

 

 



実話を元にした小説『収容所(ラーゲリ)から来た遺書』(ラーゲリからきたいしょ)は、辺見じゅんによるノンフィクション作品で、1989年、文藝春秋より出版されました。1992年に文庫化の後、1993年にテレビドラマ化されています。



野田秀樹さんの舞台でも、この「届かなかった手紙」というモチーフは繰り返し使われていまさいた。
きっとこの原作を元にした演出だったのでしょう。


2016年2月
 

 



2019年11月
 

 






どんなに悲惨な状況でも、自分を見失わず、希望を持って生きた山本の生き様を描いています。

 

 

 

 

そして、必ず夫が帰ってくると信じて、子供たちを育てたもじみ。

 

 

 

 

 

 

極寒の収容所での強制労働。
日本兵の階級を利用して、捕虜を管理させていたロシア。

 

 


日本兵同士の虐待や、共産主義への洗脳など、かなり踏み込んで描いています。

 


雪深いロケ地での壮絶な強制労働の様子や、二宮さんの、病魔に侵された演技も凄まじかった。

 

 

 


これは戦争の悲惨さを描くだけの映画ではないし、どんな状況であっても、絶対に希望を失わない!ことが一番伝えたいこと。。
映画ではまぁ動きもあって映えるということで、野球のシーンが印象的に描かれていましたが、

 

 

 

実際は俳句をつくったり万葉集を紐解いたりする文学的な部分が多かったようです。
自国の言葉を失わないことが、アイデンティティを守ることに繋がっていたのだと思います。




山本幡男さんの遺書がどうやって届けられたか、という最後の一連のシーンは、本当に感動的だったのですが、なんとなく

 

耐え忍ぶことの美しさ

 

欲しがりません、勝つまでは

 

 

みたいな雰囲気が漂っていて、それは怖い感じがしました。


 

 


この映画を見て、ただ単に「ロシアひどい!」という感覚に陥ってはいけないと思います。日本とロシアの交渉がどうだったのか、なども全く描かれていません。

日本軍も別の場所で同じようなことをやっていたし、勝利した国が敗戦した国から略奪をするのは、古今東西を問わず行われてきたことです。




ロシアとウクライナの戦争も、一向に収まる気配はなく、もはや外交的手段で終結させる動きよりも、各国が武器を調達する方向に進んでいます。
日本も、軍拡への道にどんどん進んでいます。




戦争やナチスを描いた洋画はたくさんありますが、もっと戦争の悲惨さが突き刺さってきますし、二度とこのような間違いを繰り返さないように!という強いメッセージが感じられるのですが、この映画からはそこまでの意志を感じませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こういう映画を見てしまうと、この生ぬるい美談にまとめられたラストがどうにも受け入れがたいです。


日本のドラマや映画はなぜ、なんでもかんでも「良い話」にまとめなくてはならないのでしょうか。

 


戦争に「どちらが正しい」なんてことはありません。
どちらも苦い思いをし、傷つき、理不尽な結果を噛みしめるものです。

 

 


映画では、次々と「手紙」が届きましたが、実際は30年も経ってから「手紙」を届けた人もいたそうです。
ただ単に居場所を見つけられなかったのか、個人的な理由があったのかわかりませんが、その「手紙」を届けられる心情になるまで、30年を要したのではないか…とも私は思いました。

 

 


最後の現代の結婚式シーン、必要ですか?

 

シベリアに置いて帰ろうとした犬が走ってくるとか…南極物語なの??

 

 


制作陣はそういう子供っぽい演出が、感動的だと思っているんでしょうか。
本当に情けないというか、恥ずかしいですね。
あまりにも幼稚すぎてガッカリしました。