DUNE デューン 砂の惑星 | akaneの鑑賞記録

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歌舞伎や演劇、映画、TVドラマなど鑑賞作品の覚書

 

 

 

「ブレードランナー2049」「メッセージ」のドゥニ・ビルヌーブ監督が、フランク・ハーバートのSF古典小説を新たに映画化した。

 

人類が地球以外の惑星に移住し、宇宙帝国を築いていた西暦1万190年、1つの惑星を1つの大領家が治める厳格な身分制度が敷かれる中、レト・アトレイデス公爵は通称デューンと呼ばれる砂漠の惑星アラキスを治めることになった。アラキスは抗老化作用を持つ香料メランジの唯一の生産地であるため、アトレイデス家に莫大な利益をもたらすはずだった。

しかし、デューンに乗り込んだレト公爵を待っていたのはメランジの採掘権を持つハルコンネン家と皇帝が結託した陰謀だった。やがてレト公爵は殺され、妻のジェシカと息子のポールも命を狙われることなる。

 

 




圧倒的映像美!
 

 

もうその一言につきます。
あとで熱く語るとして、まずは全体的な説明を。



まぁ基本的にはよくある英雄譚です。
陰謀により父親が殺され、息子が様々な助けを得ながら英雄になるというお話。

銀河を統べる帝国や帝国軍の存在、惑星ごとに自治が行われている統治体制、空に浮かぶ2つの月(SWでは太陽)、声を使った特殊能力などなど、「スター・ウォーズ(1977年公開)」は「デューン(1965年初版)」の設定を参考にしているとも言われています。
 

 

 


今回の舞台設定、ポイントとなるワードを説明しておきますね。


★アラキス
デューン(砂丘)の名で知られる「砂の惑星」。二つの月を持つ。惑星全土に渡って水分が乏しく、深砂漠には巨大な「砂虫」が出没し、「コリオリの嵐」が吹き荒れる、過酷な環境。

 

 


★メランジ
アラキスでのみ産出するスパイス(麻薬)。砂虫が成長過程で産出する。その主要な作用は抗老化だが、意識を拡張することで様々な超能力の引き金になる。超光速輸送を支えるギルドのナビゲート能力や、ベネ・ゲセリットの特異な心身能力などはメランジに依存しており、宇宙的に重要な産品。常用者は眼球が深青に染まる。

 

 

 

 

★砂虫(サンドワーム)

 

アラキスの砂漠に生息する巨大な体節生物。ギルドの輸送船宇宙船すら凌ぐ大型のものもいる。振動を感知して砂漠から現れ、スパイス採掘機でも全翼機でもなんでも飲み込んで破壊してしまう。フレーメンがシャイイ・フルドと呼んで崇める。メランジの生成とアラキスの乾燥に深く関わっている。
 

 

 

★アトレイデス家

 

豊かな海洋を持つ惑星カラダンを統治する公家。血筋は由緒あるもので、古代ギリシャのアトレウス王家まで遡ることができる。 帝国でも主要な大公家(ハウス・メジャー)で、その名は正義と高潔をもって知られる。ハルコンネン家は不倶戴天の敵。

 

 


★ハルコンネン家

 

惑星ジエディ・プライムを故郷とする公家。人間狩りなどの悪徳・暴虐で知られる。アラキスを準領土としていたが、その暴政によって原住民フレーメンからは憎悪されている。 コリノ皇家とは皇帝登極以前からの盟友であり、謀略面を担当していた。またアトレイデ家とは宿敵同士。
 

 

 

★フレーメン

 

アラキスの原住民。「砂漠の民」。人間の生存は不可能とされるアラキス奥地の砂漠に、惑星の生態に適応した生活パターンによって居住している。 水を何よりも重要視する特異な信仰を持ち、いつの日か外世界から救世主が現れ、アラキスを緑の星に変えてくれると信じる。

 

 

★ベネ・ゲセリット

 

女子修道会。メランジによって強化された驚くべき知覚力と身体能力を持ち、「魔女」とも呼ばれる。人類の内なる獣性を緩和し、その未来をコントロールすることを目指し、公家の婚姻と交配を利用している。

修道会の長である「教母様」の存在感も凄いです。

 

 

 

 


そしてメインキャスト。

★ポール・アトレイデス(ティモシー・シャラメ)

 

レト・アトレイデス公爵の嫡男。ジェシカの息子。二人の剣術師範からは決闘法を学び、母からはベネ・ゲセリット流の心身統御術を伝授されている。ハルコンネンの策謀でアラキスの砂漠に追放された結果、多量のメランジに曝され、未来予視の超能力を持つ「クイサッツ・ハデラッハ」として覚醒。フレーメンの宗教的指導者ムアッディブとしてアラキスに神権政治を樹立する。

いや~~相変わらずお美しかったです。

演技力というか存在感がまた一段アップしたような感じ。
最初はいかにも大切に育てられた皇子様で、線の細いところもありますが、アラキスに移ってからは、日々、覚醒して成長していくんです。予知能力なども芽生え、未来の悲劇なども見えてしまい苦悩する姿も美しい。

 

 


★ジェシカ(レベッカ・ファーガソ)

 

ポールの母でレト公爵の愛妾。特殊能力を持つベネ・ゲセリット。

レト公爵への愛から、修道会に命じられた女児ではなく男児のポールを産んだ。ベネ・ゲセリットの特殊な声を発して人を操る能力を持っていて心身統御術により、特異な戦闘と生存の能力を持つ。
能力を持つ巫女のような強さと、母の慈愛、高貴な雰囲気など、こちらも適役ですね~。

 


 

 


他にも「スパイダーマン」シリーズのゼンデイヤ

 

 

「アクアマン」のジェイソン・モモア

 

 

ハビエル・バルデム、ジョシュ・ブローリン、オスカー・アイザックら豪華キャストが勢ぞろいで本当に贅沢の極み。

 

 

 

 


もうとにかく!映像美に圧倒されました!
シルクのような砂紋を描く砂漠、巨大な建造物、メカニックやセットのデザインから衣装デザイン、調度品に至るまで、もうすべてが美しいんです!!
次々に映し出される映像のすべてに魅了されて、「わー綺麗!好きだわー!」ってずっと感動してました。
なんてセンスがいいんだ!!!

 

古代のアルカイック、貴族の高貴、未来のソリッド、あらゆる要素が融合していて、全てドツボだったんです。
カメラワークも素晴らしいし、何一つ不純なものが混じっていない、何一つ間違った構図などない完璧なバランス。
とにかく「美」に圧倒されました。

 

 

このタイトルだけでも美しい!!

 

 

 

 


そしてハンス・ジマーの音楽!
常に心がざわつくような、精神を高ぶらせる音楽!
「TENET」を蹴って、「DUNE」を選んだというほど、原作が好きだったそうです。
ハンス・ジマーの曲って、一瞬聞くだけで彼の作品だと分かるほど特徴的なのに、これだけたくさんの作品を手掛けているのに、絶対被らないし、マンネリになることがないって凄くないですか!




もはやストーリーとかどうでもいいぐらい、耳と眼と心が奪われた状態で見ていて、昔、小説は読んだような記憶がうっすらあるんですけど、ほとんど覚えていませんでした。
とても映像化できないと言われ続けていた壮大な物語ですが、非常に脚本がいいですね。
大幅に整理した部分はあると思うのですが、限られた時間内に無理なく、ただし王道は外さずにきちんとストーリーを運んでいてストレスがありません。
説明的な台詞は一切ないので、細かい背景や人物設定などはわからない部分もあるのですが、そんなの、あとから調べればいいことですからね。(これが邦画との違いよ)




ブレードランナー2049」と同じ監督なので、ちょっと似ているところもあります。この荒廃した街のシーンも、本当にきれいでした。

 



 

 


いくつかメイキング映像も公開されていますし

 

 

 

 

 

 



記事も読みました。

 

 

壮大な砂漠が広がる砂の惑星“デューン”をはじめ、様々な惑星が登場する本作。撮影において、ビルヌーブ監督はできるだけ視覚効果に頼らないことに重きを置いており、本作の撮影で視覚効果を後で加えるためにグリーンバックを背後に撮影したのは2シーンのみだったという。

ビルヌーブ監督は、実際のロケーションやセットでの撮影を実施することに強いこだわりをもっており、ロケーション撮影は、よりリアリティーのある画が撮れる場所を求め、ハンガリー、ヨルダン、アブダビ、ノルウェーなど世界中を駆け巡った。

セットについてもビルヌーブ監督の理想通り、視覚効果技術で拡大せずに実寸大のものを使用。広大な図書館やアトレイデス家の邸宅、飛行船などのガジェットまで実際に作り上げ、セットの規模は往年のハリウッドを思わせるクオリティのものだった。メイキング映像では、広大な砂漠や、切り立つ岩石に囲まれた岩石砂漠を実際に歩くキャストたちの姿も収められている。

 

 


あの壮大な映像がCGではなく実写だなんて!様々なセットが実寸大で作ったものだなんて!もはや狂気の沙汰だと思いますけど、だからこその迫力なんですね。
なんていうか薄っぺらさがないんですよ。
非常に奥行きがあって、砂漠の温度や風の強さ、金属や石の冷たさとか手触りまで伝わってくるんです。



圧倒的な映像と、圧倒的な音楽に3時間身をゆだねる。

そんな幸せな作品でした。

ともかく!

これは絶対!

IMAXで見て!




ポールがアラキスの原住民フレーメンと共に、宇宙の支配者として覚醒していくPart2が待たれます。

 

 

まだ製作も始まっていないようですが、いつ頃公開になるのでしょうね。