標的を6秒以内に仕留める圧倒的な腕前から裏社会で恐れられる殺し屋、通称ファブル(岡田准一)は、ボス(佐藤浩市)から「殺し屋を1年間休業し、大阪で一般人として普通の生活を送る」というミッションを命じられる。1人でも殺したら処分されるという条件のもと、佐藤アキラという偽名を使い相棒のヨウコ(木村文乃)と兄と妹という設定で、生まれて初めて普通の生活をすることになる。
フラッと見に行ったのですが、まぁまぁ面白かったかな。
原作の漫画は全く知りません。
アクション監督が外国の方で、結構動きも早く、そこは見どころがありました。
「大阪で一般人として1年暮らす」とはいうものの、面倒を見てくれるのが闇社会の組織なので、その内部抗争がメイン。
静かに暮らそうと思っているのに、ファブルはそれに巻き込まれてしまうというお話。
実質、組を仕切っている社長・海老原（安田顕）と、その転覆を狙う砂川（向井理）。
安田の舎弟である小松（柳楽優弥）が、8年服役して出所してきたところなんですが、これがかなりイッちゃってるヤバい奴なんです。
ファブルはどうやら訳あって、小さいころからボスに育てられた模様。
1ヶ月、山に放置されたり、徹底的にサバイバルや殺しのノウハウを叩きこまれて育ちました。
そのボスが、彼をなぜ1年間現場から外したのか、という根本的なところが良く分かりませんでした。
余りにも強くなりすぎたから始末しないと、と思っているみたいだったけど…なんで？？
そんな育ち方をしたから、ファブルはちょっと浮世離れしているというか、一般常識に欠けるというか、至って真面目なんですけど、そのズレてるところが面白い。
岡田君、ストイックでシリアスな役が多いのですが、さすがジャニーズ！結構コメディもイケますね。
相棒ヨウコの木村文乃さん。彼女も割とクールな役が多かったように思いますが、今回はかなり弾けたキャラでした。
同じくボスに仕込まれたメンバーなんですけど、アクションの披露がなくて残念。
相棒としてちゃんとファブルをフォローしているところもあるんですけど、
ともかく「酒が強い」ということで、バーで男を酔い潰しては喜んでいるとか、ほとんど飲んだくれてテンションが高いだけだったのでちょっともったいないような。。。
ヒロイン、清水ミサキ役の山本美月ちゃん。
「死んだ父親の借金に追われ、病気の母親を抱え、ちょっと水商売に足を突っ込みながらも健気に頑張る女の子」
ってどんだけプロトタイプなのーーーー！？
こういう世界観のヒロインは、こういうキャラじゃないとダメなの？
演技的にはう～ん、って感じだったけど、濃いキャラの男どもが多いので、掃き溜めに鶴と申しますか、一服の清涼剤といった存在でした。
で、偶然ファブルと知り合った彼女は、自分のバイト先の小さなデザイン会社を紹介し、ファブルは自給800円で雇ってもらいます。
そのデザイン会社の社長が佐藤二朗さんで、もう二朗さんそのものです。
何かのドラマか映画で「小さなマンションの一室でやってるタウン誌の編集長」って設定があったように思うんだけど、まさに同じでしたね。
まぁ佐藤さんのあのキャラが必要だったんでしょうね。
フード役の福士蒼汰くん。
ファブルの仕事ぶりに陶酔し、都市伝説と言われる彼を追い求めているサイコパス系殺し屋。
まるでゲームのように人を殺す、中身空っぽの若者を好演。
彼はイケメン枠で正統派のキャラを演じることが多いですけど、こういうイッちゃってる演技の方が良いかも！
砂川役の向井理さんは、かなり頑張ってたけど、ちょっとヤクザってキャラじゃないよね。
小島役の柳楽優弥くん。
こちらはかなり凄かったです！
ヒャッハーーなとんでもない奴で、彼がミサキちゃんを拉致し、風俗で働かせようとするんですが、最終的に砂川が小島もミサキちゃんもゴミ処理場に拉致監禁、そこにファブルが単身乗り込んで奪還するというのがラストの盛り上がりです。
「決して人を殺してはいけない」という掟はしっかり守り、数十人の組員を相手に1人で奮闘し、小島とミサキちゃんを救出する。なかなかハードルの高いミッションですが、見事クリア。
そして普通の生活にもどったファブルですが、この先どうなるんでしょうね？？？
最後、東のボスである佐藤浩市さんと、西のボスである安田顕さんが、それぞれ筋を通して舎弟の始末を付けるところがカッコよかったです！
この二人はやっぱり深みが違う。
Lady Gagaの「Born This Way」は、エンドロールのところで流れるだけで、本編は関係なし。
ノリの良い曲だけど、わざわざ使う意味ある？
なんかあんまり褒めてませんけど（苦笑）、テンポが良くて軽く楽しめる映画でした。
でも原作ファンの人からみたらどうなのかな？