猿若祭二月大歌舞伎 梅ごよみ | akaneの鑑賞記録

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笑って泣いてのあとの絵本太功記。
これ絶対プログラムミスです。
秀太郎さん&鴈治郎さん&孝太郎さんなら、上方の演目でも良かったんじゃないかなぁ。
それに桃太郎と梅ごよみの間で、全くバランスとれてない。
お客さんみんな「苦行だったわ」が総意。
2014年の秀山祭で吉右衛門さん光秀、染五郎さん十次郎、
米吉くん初菊のを観ちゃったから、やっぱり物足りない。


初午ということで、休憩時間にはお神酒とお汁粉がふるまわれました。
去年も偶然、初午の日に観劇したのですが、その時はどこでやっているのかわからなくて。
今回はしっかりお汁粉を頂きました!美味しい~~。

さて、梅ごよみ。
初めてみる演目でしたが、すっごく面白かった!
もうなんといってもね、菊之助さんの仇吉が色っぽくて!!驚愕!とろけそうです。
むっちりしてるっていうのかな~、艶っぽくていかにもNo.1ですよ。
「私になびかない男はいないわ」って顔に書いてあるもん。
登場するだけでもう「わ~!」なのに、また仕草がいちいち色っぽいんだ、これが。
そんな風にされたら、どんな男だって
惚れてまうやろーーーーー
私にはカケラもない色気ですわ。

対する勘九郎さんの米八は、そこまで美人じゃなくて、その代わり尽くす女なんだよね。
だから貧乏くじ引いちゃうこともあるんだよね。
仇吉ほど「色気ダダ漏れ」って感じではなくカラッとしてるんだけど、ちょっとコンプレックスありかな。

この二人のケンカがほんっと面白いんだ。
売り言葉に買い言葉、いかにも芸者同士の口喧嘩なんだけど、二人がわちゃわちゃしていることろずーっと見ていたいぐらい。それにとにかく着物が粋でお洒落でたまらん。

二人が取り合う男、丹次郎は染五郎さん。
またこれがはまり役。
悪気のないモテ男です。
女からしてみれば、なんかほっとけなくて世話焼いちゃうんでしょうね。
「俺はモテる」って自覚は全然なくて、なんか女性が寄ってきて
色々面倒なことになっちゃうんだよな~みたいな。
「女を利用してやる」みたいなギラギラ感は全くないです。
でも時々「お家騒動」に絡むときは、仕事の顔でキリッとカッコイイ。

この三人がバッチリはまっているんだからもう絶対面白いですやん。
亀鶴さんの悪役も抜群だし、萬太郎くんも見目麗しく、まさに花形真っ盛り。

その中で意地悪姐さんの歌女之丞さんや、留め男の歌六さんが良い感じのスパイスで効いています。
留め男なんて意味わかんない存在ですけどね。ストーカーに近いですからね。
「お蝶と祝言します」とか勝手に宣言してるし。
でも歌六さん、カッコイイからいいの!


仁左衛門さん丹次郎の写真を見ましたが、これはダメです。ゾクッとするほど良い男。
仇吉が玉三郎さん、米八が勘三郎さんってのも豪華ですけど
文句なしに女がほっとかない色男です。桜姫東文章の権助みたい。
最後みんな不幸になって死にますね。
今回みたいに「しらけるね~」で笑って幕にはならない(笑)

「梅ごよみ」と「廓噺山名屋浦里」二本立てで観たいな~!