akaneの鑑賞記録

akaneの鑑賞記録

歌舞伎や演劇、映画、TVドラマなど鑑賞作品の覚書

 

 

 

 

ヒュー・ジャックマンが主演を務め、大好きな飼い主を殺された羊たちがその犯人を見つけ出すべく奮闘する姿を描いた異色のミステリー映画。
ドイツの小説家レオニー・スバンが2005年に発表した同名ベストセラー小説を原作に、「ミニオンズ」シリーズのカイル・バルダ監督がメガホンをとった。
 

 

 

 

 


オープニング、MGMアイコンのライオンまでメェ---と鳴きますよ。

羊はもちろんCGなんですが、表情もとても自然だし、とにかくもふもふレベルが高い!

 


イギリスののどかな田舎町。

羊飼いのジョージは、愛する羊たちに囲まれながらひとりで暮らしている。彼は毎晩羊たちに探偵小説を読み聞かせているが、実は羊たちは物語を理解しており、その時間を楽しみにしていた。

そんなある日、ジョージが死体となって発見される。羊たちはこれが事故だと信じようとせず、最も賢いリーダーのリリーを先頭に調査に乗り出す。

手がかりを追ううちに、ジョージには巨額の遺産があったことが判明。愛するジョージの無念を晴らすべく、犯人捜しに奔走する羊たちだったが……。

 

 


ジョージの牧場を買い取ろうとする牧場主
なぜか敵意むき出しの肉屋
ジョージが借金をしていた牧師
ジョージに密かに思いを寄せている商店のおばさん
町のフェスティバルの取材に来た記者
ジョージの遺産相続を担当する弁護士


などなど、なんとなく怪しげな大人たちが登場します。
 

 


大して事件も起こらない町には警察組織もなく、デリー巡査(ニコラス・ブラウン)が一人だけ。事なかれ主義でぼんやりしていて、とても捜査などできそうにありません。

 

そして長く離れて暮らしていたジョージの娘が、このタイミングで町にやってきました。


 



羊たちは、毎晩探偵小説を読み聞かされていたので、推理力が鍛えられています。
しかし人間の言葉を話すことはできませんから、なんとか巡査に接触して手がかりを伝えようとしたり、推理の基本を学ぶ本を持っていったり、奮闘します。

 

そのドタバタぶりがとても面白いし、ひつじ達のおかげで、巡査はとてもしっかりした切れ者に急成長するのが笑えます。


 


もともと羊たちは、牧場から出たこともなく、嫌なこと、悲しいことがあったら「3つ数えて忘れる」ようにしていました。
一匹だけそれができないのはモップルでした。

ジョージが死んだときも、今までのように忘れようとしましたが、リリーは「今までお世話になったジョージを忘れてはいけない!」と一念発起するのです。




無邪気なひつじたちを主人公としながら、その中で起こることは人間社会と同じなのがとても良く描かれています。



外の世界を良く知っている一匹狼的なセバスチャンに付いて町に出かけるリリーとモップル。 

  

牧草と地面しか知らなかった二匹が、初めてアスファルトの道路を渡る場面。

異質な感触におびえ、ほんの数メートル先にさえ行くことができません。
でも二匹で励ましあって一歩を踏み出し、未知の世界に飛び込んでいくのです。

 


ひつじはほとんどが春生まれで、冬生まれのひつじは仲間外れにされています。
子羊たちは全く偏見がないのに、大人たちは「あの子と遊んではいけません!」と注意するのでした。
でもジョージはそのはぐれ者の子羊を大切に育てましたし

 

その子羊も卑屈にならず犯人逮捕に繋がる働きをして、最後には群れの仲間に迎え入れられるのです。

 


とてもほのぼのした映画なんですが、ジョージの死によって、巡査も羊たちもそれぞれの方法で価値観を変えて成長していく様が、お説教臭くなくふんわりとしたおとぎ話風にまとめられているのが良いなと思いました。