その人の顔を見て、私は驚いた。

「ゆ…き…と…」

相手は、私の目を見てくれず、冷たく
言い放った。

「名前を呼ぶなって言っただろ?
うっとうしいんだよ。」

「何でそんな事…」

「だからさぁ、重いんだよ。お前みたいなやつ。会話もしたくないし、もう金輪際、話しかけて来るな。」

そう言って彼は、スタスタと歩いて言ってしまった。

せめて…

せめて、友達みたいな関係になりたかったなぁ…

本当に嫌ってるんだね。
目すら合わせてくれない。

やだな。涙が溢れてくる。

屋上に駆け込んで、いっぱい泣いた。
その時、ポケットから何かが落ちた。

ウォークマンだった。

…気を休めたいから、何か聞いておこう。

カチッ

ボタンを押すと、ある音楽が流れ込んできた。

『悲しみの海に沈んだ私♪
目を開けるのも億劫♪このままどこまでも落ちてゆき 誰にも見つけられないのかな♪』

今の私、そのまんまだな…
もっと泣けてきてしまった。

この海から抜け出すには、どうしたらいい?

どんどん沈んでゆくのかな?
もう、嫌だよ…!

その時、屋上のドアが開いた。


「美奈…!」

この子は私の親友で美奈って言う。
美奈になら、なんでも相談できるから、相談してみようかな?

「見てたよ?全部。」 「そっか…」

「何で泣いてんの?悔しくないの?」

「だって…わかんないんだよ…
私、どうすればいいかわかんないの」

美奈は、私を優しく包んでくれた。

「バカ!何であんたが泣くのよ!
見返してやりなよ、あんな奴!
あんたは悪くないんだから、泣く必要
が無いの!」

いってる事は厳しいけど、最もだ。

本当に美奈はすごいなぁ…

「涙、止まった?」 「うん…!」

「じゃあ帰ろ!白虎が心配してるから!」

「え?白虎が⁉」

「気づいてないの?あんたが走ってった時、真っ青になってあたしんとこ
来たんだから!」

そうだったんだ…

過去を思い出して、辛かったけど、
親友って、こんなに温かいんだ。

また一歩、前進したようです。


つづく




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