タケルが出てから、10分ほど経った。

やる事ないなあ…

ドサッ

私がベットの上で、ボーッとしてると、何かが落ちた。

タケルのアルバムだ。

これは…高校の入学式のときの写真だ。
無邪気に笑っているタケルの顔。

あの日は、私とタケルが初めて出会った日だった。

あの頃は、心を閉ざしていたけど、タケルが開いてくれたんだ。

思えばいろんなことがあったなぁ…

私が屋上に落とされたとき、タケルが命がけで助けてくれた時もあったっけ…

アルバムを見ていると、幸せだった日々が、走馬灯のように、蘇ってくる。

「ふっ…ううっ…」

あれ?何でだろう? 感情を捨てたくせに、アルバムを見て、いろんなことを思い出して、
涙を流して…

タケルは、もうあの頃のタケルじゃないことなんて、分かっていたはずなのに…

何であの頃の笑顔を思い出してしまうんだろう?

…やっぱり私は、タケルが好きなんだ…

どんな決心だって、好きだって一つの気持ちには、かないっこないんだ…

そんなこと思ってるうちに、タケルは帰ってきた。

「ただいまっと…」

ガチャッ

「ユウナ…何見てんだよ…」 「別に…」

「俺のアルバム…?」

パラパラ…

タケルは、しばらくアルバムを見つめていた。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
家に帰ったら、ユウナが俺のアルバムを見ていた。

何でそんなもの見てんだよ…

そう思いながらも、俺はアルバムをパラパラとめくった。

すると、ある写真が目に止まった。

俺とユウナが付き合った時の写真だ。

ユウナは無邪気に笑って、俺と手をつなぎながら、ピースしていた。

その他にも、いろいろあった。

パラパラとめくっているうちに、いろんな思い出が蘇ってくる。

パタン…とアルバムを閉じると、いろんなことが頭をよぎる。

俺のやってることは、本当に正しいのか?

彼女を怯えさせて傷つけて、いい事あるか?

多分、今日始めて、正気に戻ったと思う。

あ…俺今まで何やってたんだろ…

正気に戻って、今まで自分がユウナにやってきたことを思うと、涙が出てきた。

「っ~ううっ…」

「タ、タケル!?」

今まで散々ひどい事をしてきた俺に、ユウナはためらう事なく抱きしめてくれた。

声に出せなかったけど、心の中で何度も叫んだ。

ユウナ…ゴメン…ごめん!!

つづく