ふと、思い出したくもない過去を、思い出してしまった。

あれ?なんで涙がでてくるんだろう?

「ちょ!ユウナっちどうしたの!?」

「…別に!!なんでもないから!!」 「じゃあ何で泣いてんだよ!!」

「もうほっといてよ!!!」

本当は甘えたかったのに、反対の言葉が、口から出てしまった。

「あ…ゴメン!!ユウナっち…」 「ち、ちが…」

「もうかまわないから。迷惑してたでしょ?」

どうしよう!!このまま終わりなんてやだよぉ…本当は…私…

「タケル!!ちょっときて!!」 「えっ?どこに…ってうわっ!!」

私は、タケルの腕をつかんで、屋上に向かって走った。

バン!!

「ハァ…ハァ…」 「あーユウナっち?どうしたの?こんなところまできて…」

「ゴメン…タケル…」 「へ?」

「あのね…私、中学の時に、付き合ってた子がいたんだけど、浮気されたの。
何かそんな事思い出してたら泣けてきて…
ほ、ホントは、タケルに甘えたかったけど、意地張っちゃって…
厄介だよね。私。嫌われても、仕方ないよね。」

「そんな事ないって。逆に嬉しかったよ。ユウナっちが本当の事教えてくれたし。
それと、俺には遠慮しなくていいから。
甘えても、ぶち当たってきてもいいから。俺の前では、思いっきりないていいから。
分かってたよ。意地っ張りだけど、ホントは甘えたいって事。思いっきりなきたいって事。」

「っ…ワアアアン!!!」

ホントはこんな風に甘えたかったの。
結局一人じゃ何もできなくて、一人じゃ生きていけなかったの。
平気な顔してても、実は悲しい…って思ってるの分かってくれたの、タケルだけなんだよ。

ゴメン…タケル…ありがとう…

タケルは、何も言わずに、泣いている私を抱き寄せ、頭を撫でてくれていた。

泣き止むと、タケルは笑って、

「さ、教室戻ろうぜ!!」

って言ってくれた。私は、とびっきりの笑顔で、

「うん!!」

と答えた。

こんなに笑ったの、久しぶりだな…泣いたのも、久しぶり。
タケルといると、私に感情が芽生えてくる。

ありがとう…タケル…

一方、屋上でこの話をずっと聞いていた人がいた。

「…川崎ユウナ…あんたの居場所、なくしてあげるよ♪」

そう言って、一人、クスクスと、笑い、不敵な笑みを浮かべたー。


つづく