小2になる春、母が離婚した。
その半年後、再婚して、新しい父親がきた。いい人だった。

私や弟にも優しく接してくれた。
その人にとっては初めての結婚だからと、結婚式もした。

母はとても幸せそうで、私も幸せだった。

再婚に反対したこともなくて、むしろ私は母に勧めていた。
結婚しちゃいなよー、と、まだその重みを何も分かっていなかった私は、結婚がゴールだと思い、新しいスタートだとは考えてもいなかった。


妹も生まれた。とっても可愛くて、友達みんなに自慢して、学校が終わったら飛んで帰って、たくさんお世話をして、言葉では表しきれないほど大好きだった。

大抵の人は、私と父親がうまくやれなかったのだろうと言う。

最終的にはその通りだが、同級生たちが、お父さんがキモいだのウザいだの文句ばかり言っているのが理解できないくらいには、仲良くやっていたのだと思う。


雲行きが悪くなりはじめたのは、コロナ禍からだろう。
あの時私は中2で、弟は小3だった。


父はテレワークをはじめて、毎日家にいるようになった。
そのうちだんだんと、部屋から出てこないことが増え、リビングに来るたびに私や弟に小言をぶつけてくるようになった。

弟は、とりあえず分かったって言っとけば丸くおさまる、と言う考えだが、私は違った。
ずっと家にいるのに忙しい母に代わって私や弟が家事をしているのに何も手伝ってくれないし、
そのくせ私たちがした仕事に口出しをしてくるのだから納得がいかなかった。

何より、私には言い返されると分かった頃から、黙っている弟にばかりきつく当たることも許せなかった。


母は、私たちの味方をしてくれた。でもだからこそ、父と母の喧嘩は増えた。
父の様子が変わっていくのが分かって、でも私にはどうすることもできなくて、怒りでも悲しみでもない、気持ちの悪い感情だけがいつも心に残った。


後から知ったのだが、あの頃父は、精神病院に通って薬をもらっていたらしい。