家出の話や家族の話をするにあたって、これだけはどうしても勘違いしてほしくないと思うことがある。


それは、私はちゃんと愛されてきたということ。


これまでの人生で愛情不足なんて感じたことがないくらい、色んな人からたくさんの愛をもらって生きてきた。


本当に、ちゃんと、愛されてきた。


私の母は、所謂毒親なのかもしれないし、世間的には良い母親とは言えないのかもしれない。大変だったねと私ばかりに同情の目が集まることはしょっちゅうで、その度にもどかしさを感じてきた。


叩かれることもあったし、家を追い出されることもあったし、たくさん家事もして、理不尽なことで叱られて、家庭環境はいつも複雑で、警察や児童相談所の世話になることもあって、、、


でも、私たちを絶対に見捨てなかった。

どんな時も絶対に私たちの味方だった。

それって、「母親だから当たり前」なんて言葉で終わらせてはいけないくらいすごいこと。

自分以外の人間を養うことがどれだけのことか、今の私にはまだ想像もつかないから。




子どもの頃から、叱られたまま眠りにつくことがなかった。眠っていても絶対に起こされて、ごめんねと謝られた。絶対に仲直りをしてから次の日を迎えた。


私がピアノをやりたいと言い始めたあの日から、どんなに大変な時でも私にピアノを弾ける環境を与え続けてくれた。


小さな頃から、毎晩何冊もの本を読んでくれた。


チックになった私に、全力で向き合ってくれた。周りのどの大人が諦めても、絶対に見捨てなかった。たくさん勉強してたくさん努力して、治してくれた。


いくつになっても、抱きしめてくれた。中学生になっても高校生になっても、私が恥ずかしくて逃げようとしても、捕まえてぎゅっと腕の中に包んでくれた。


「生まれてきてくれてありがとう」「あなたのおかげで私はママになれたから」「だいすき」

そんな恥ずかしい言葉だって、いつも堂々と言ってのけた。


自信をもって言える。母からこんなにも愛されて育ったんだと。



母だけではない。実の父や、祖父母や、伯父、従兄弟、ピアノの先生、みんなにすごく愛されていた。


衝突し合うこともあったけれど、それはいつも私のためにと思っての行動が食い違ってしまうからで、それくらい、みんなが私のためを考えて動いてくれていた。


たくさん愛情を感じていた。


これだけは絶対に勘違いしてほしくなかった。


みんなにちゃんと愛されてたよ、今も愛されてるよって、


それは、私の人生を語る上で決して外せないことだから。