祖父母の家で暮らし始めてから、毎日休まずに学校へ通えるようになった。
大きな進歩だ。
祖母が昔使っていた古いピアノもあったから、それを調律してピアノも続けられた。
それもまた、大きな支えだった。
ただ、残してきた妹のことだけがずっと引っかかって、頭から離れない。
私と弟は1人目の父の子で、妹は2人目の父の子。血は半分しか繋がっていなかったけど、そんなこと関係なく本当に可愛かったし大好きだった。
10歳差ということもあって、おむつを替えたりお風呂に入れたりご飯をあげたり、妹の世話を手伝い成長を見ることが毎日の楽しみだった。
しかし、祖母は妹のことをよく思っていなかった。妹は祖母が嫌っていた2人目の父親と顔がそっくりだったから。
それだけ。
「あの子のことはここで面倒を見てあげることはできない、絶対」と堂々と言い放った。
たったそれだけのことで何の罪もない子供を嫌うことができるなんて、ドラマや小説の中だけのことだと思っていたのに。
一方祖父は、亭主関白な人ではあったけれどこのことについてはなぜか祖母にはあまり強くいうことが無かった。
心配している様子は見せるし「まあ、あの子に罪はないからなぁ」とは言うけれど、それ以上は何も言ってくれない。
私も、言えなかった。
それがすごく悔しいし、今でも本当に申し訳なかったと心の底から思う。
後悔してもしきれない。
あの時、祖母に立ち向かわなかったことを。
私の妹に対して、
「あいつとそっくりで全然可愛くない」
と言い放った祖母の前に立って
「そんなことない」
とはっきり言ってやれなかったことを。