3人で東京から帰ってきてから数日遅れで、母が帰ってきた。

もうその頃には、自分でも戸惑うくらいに母との間に壁を感じていた。
自分では動じないと思っていたけれど、やっぱり私は、Kとのことに動じていたのかもしれない。

今になって、今だからこそ、そう思う。

母が不在の時も、相変わらず私はまともに学校へ行けていなかった。
遅刻や早退ばかり。
そのことで学校から母へ電話が行くと、母から私に電話が来た。

「別に行きたくないなら行かなくてもいいけど、だったら自分でどうにかして。私に学校から電話がかかってきても離れてるんだからあなたの今の状況なんて分からないしどうしようもないでしょ。どうして行きたくないの?教えてくれなきゃ解決できない。」

そんなの、私が1番分かっているし分かっていなかった。
母にどうにかできる問題ではないことなんて理解していたけれど、それでもどうして自分がこんな状態なのかは私も分からなかった。

何度も何度も言い聞かせた。
母も、今大変な時だから。
裁判もあって離婚もあって仕事のことだってあって、、、

でも私を納得させなかったのは、裁判と離婚と仕事に並んでKの存在があったことかもしれない。



確かあれは留守番最終日の日。
その日も学校のことで電話をして、それからしばらくした時にラインの通知オンが鳴った。

見てみると、「Kが教えてくれて通りすがりにちょっと見にいってみたけどすごいよ!」という文章と一緒に、路上パフォーマンスの動画が送られてきた。

きっと、さっきピリピリした空気で電話を終わってしまったから、和ませようと思って送ってくれたのだろう。
頭ではそれを理解できた。
でも心では、私や弟や妹が頑張って何日も過ごしてるのにこんなことしてるんだ、Kと一緒にいられてさぞかし楽しいでしょうね、と言う真っ黒な私が顔を出す。

そいつは、どれだけ追いやろうとしてもついてくる。ポジティブな考えを思い浮かべても、すぐにネガティブに変えてしまう。全てを真っ向から否定して、嫌な色の考えで心も頭もいっぱいにしてくる。すごく厄介な存在だった。

だから結局、母にも何も言えず、ただ、イイネのスタンプを送っただけ。

②に続く。