「今、好きな人がいます。」

高校生になってすぐの頃、母から告げられた衝撃の一言。

母は、何でも話してくれる人だった。
元旦那(私の実父)とのことも、家計のことも。
だから、今回もあまり驚いていない自分がいた。
むしろ、えなにそれだれだれっ??と、
まるで友達と恋バナでもするようなノリで返していた。

相手は、先日の投稿で登場してきた父の同級生。
弁護士事務所に勤めていたことがあって、
今回の裁判で色々と協力してくれていたあの彼。

これからはKと呼ぼう。


母は父にも話していた。それを聞く父はどんな気持ちだったのだろうと思う。

一度、どうして隠さないの?と聞いたことがある。

母はKが好きというだけで2人で内緒であったりはしていなかったが、
私はきっとこれは不倫にあたるだろうと思っていたし、
そういうものはパートナーには隠すものだとも思っていたから。

すると母はこう言った。

「隠し事は苦手なの」



母は、私が中3の秋に父と喧嘩をした(前回の投稿)頃から、父に対して不信感を抱くようになっていた。
その時その場に母はいなかったものの、
あれから数日父は家に帰って来なかったし、
私の首にははっきりと傷が残されていたからだ。

「子供に、ましてや血のつながっていない子供に、ここまでのことができる?どれだけ怒りが湧いてもこんな傷をつけるほど自我を失ってたってこと?抑えられなかったの?」

と、母がKに電話で話しているのを聞いたことがある。

私はというと、母が誰を好きでも嫌いでも、何とも思っていなかった。
そこには、母が誰をどれだけ好きでも、私や弟や妹の方が上だという自信があったからかもしれない。

母はいつも、自分が優先されないことに不満を抱く父にこう言っていた。

「あなたのことは好きだけど、私には子供たちが1番だから、それはもうどうしようもない」と。

逆に私たちにはいつもこう言ってくれた。

「いつでもあなたたちが私の1番好きな人だから」と。

Kが登場しても、それは絶対に変わらないと思っていた。
私たちには、自分は愛されているという確固たる自信があったから。