櫻子さんの足下には死体が埋まっている
わたしを殺したお人形 太田紫織 令和元年
角川文庫。
正太郎と櫻子さん、そして正太郎のクラスメートで仲良しの
鴻上百合子・今居陽人・阿世知蘭香5人は、九条家の近くの川を流れる遺体を発見してしまう。
さらに八鍬(やくわ)と名乗る北海道を代表する新聞社の記者が、正太郎と櫻子さんに接触を図る。不自然なまでに遺体や遺骨の発見者となっている関係性不明瞭な若い男女のコンビに何かしらの疑惑を感じているようである。そして二人が本当に事件に無関係な探偵ごっこをしているのならその探偵ごっこを見せて欲しいという。
進路を明確にして成長の方向性を定めた高校生たちと、半世紀以前、太平洋戦争に因縁を持つ秘話は大きな時のループの中に紛れていたシリーズ発端の事件のループも内包していた。そこここに姿を表したり消したりする人形の存在とともに。
この巻のテーマは「循環」ではないかと思う。
そして巡る輪はいよいよ最終章へと繋がって行く。
長大なシリーズも残すところ後2冊である。
あとたった2冊で花房の謎、そして九条家と櫻子さんの謎は解き明かされるのか?
なおこの本は作者のサインと落款入りであった。
このシリーズは弟との交換本であるが、奴だってどうせブックオフで集めたもので、彼自身が直接サインしてもらったわけではなかろう⁉︎