源氏の神霊 | われは河の子

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 QED 源氏の神霊 高田崇史 2021年 講談社ノベルス


 京都亀岡市で頼政塚に残された惨殺死体と、壇ノ浦で発見された遺体の謎を追って警察に協力する桑原崇と棚旗奈々のコンビは、御所に現れた鵺(ぬえ)という妖怪を二度にわたって退治して

従三位という位まで賜った源頼政(みなもとのよりまさ)が悠々自適の老後を投げ打って、七十七歳という高齢の身でなぜ平家打倒の兵を起こし、宇治の平等院で自決する最期を迎えなければならなかったのかという謎にも挑む。

 そもそも源平の戦いとは何だったのか?

海に沈んだ安徳天皇に隠された秘密とは?

 今歴史の闇がまたひとつ明かされる。


QED 伊勢の曙光で一旦幕を閉じその後再開した新シリーズ二作目に当たる本作は、先に発表された短編で明らかになっていたこととはいえ、いよいよ崇の大学時代からの相棒役の小松崎良平と奈々の妹の沙織の結婚式から幕を開ける(沙織は再婚)。


 わかっているようでわかっていない源平時代(平安時代末期)のことを詳しく学ばせてくれる。


 もちろんいつもの作者一流のトンデモ歴史観と言ってしまえばそれまでだが、膨大な史書や民俗学の知識を背景に語られるストーリーには信憑性を感じてしまう。

 京都御所にて。私は後年河童と化しますが、鵺などと近づきはありません。お近づきになりたいのは美女だけです。

 宇治平等院鳳凰堂にて。


 独りの時だってあるさ😢