最近では看護婦さんにズボンとパンツを下げてもらわなくても自分でできるようになりましたが、その際もこの手すりに肩を寄せて身体を支える必要があります。
当然左脳に梗塞や出血があった方は反対側に手すりが必要になります。
私のいる4階にはトイレが10ヶ所近くあるのですが、右側手すりで車椅子が自由に入れるのは2番と7番の2ヶ所しかありません。したがって、朝などはいつも塞がっています。
今日、朝食後に、看護婦のKさんが、
「どうします?お部屋に帰りますか?」と聞くので、トイレによってもらいました。
食堂の隣にある2番トイレに入りました。
すぐ後ろに順番待ちをしている人の車椅子が見えました。ところが私が腰を下ろして、戸が閉まったか閉まらぬうちに、トイレの壁をドンドンと叩く音が聞こえ、
「誰か連れてってよー」という声が聞こえました。連れてって婆ァです。
「誰か別のトイレに連れてってよー、オシッコ漏れちゃうよー!、誰だい?入ってるの?まだでないのかい!もう漏れちゃうよー!」ドンドン壁を叩く音はノックなどという生易しいものではありません。婆さん、鈍器でも持っているんじゃないか?と思うような音でした
本来小心者で神経質な私は、そんな状況では出るものも出て来るはずがありません。
戸を破られるのでは?と思うほど座っていましたが、結局何も出ませんでした。婆さんが漏らしたかどうかは知りません。
毎日老人ホームで暮らしているようなものです。