憲法に「八月革命説」というのがある

これは「物事をいかに正確に理解するか」という読解力がかなり試される問題だと思っている

僕は当時全くこれが足りてなかった

しかし、プログラミングをやるようになると、

物事をフワっとあやふやに理解していると業務に支障が出るため、

正確に問題を把握する癖がついた

今なら受かるような気がするんだけどな~(未練がましい

 

八月革命説の問題が良く出た記憶がある(記憶頼みのため内容はアバウト)

問1:「天皇主権の明治憲法が国民主権の現行憲法に変わった。

この改正は革命的なことであり、これを八月革命説と呼ぶ」

 

→「ふーむ。なんか、いいような気がするw」

...と、当時なんとなく思っていた。なんとなく理解していた。

旧司法試験ラスト開催の憲法の択一問題で出た気もする。

 

ところでよく、「現行憲法はアメリカから押し付けられた憲法である」と言われたりする

(そんなに間違ってないとは思うが。。。)

しかし、「押し付けではなく(形式上は)明治憲法の73条という条文に従って日本国民により改正された」

と考え、押し付け憲法であるという批判を回避しているのが八月革命説である。

だが、こう考えようとすると、問題が出てくる。

「天皇主権を前提とした明治憲法から、国民主権を前提とする現行憲法に変わった」と考えるのは無理がある。

でも、「憲法を改正したから主権の所在が天皇から国民に移った」のではなく、

「ポツダム宣言を受諾した時点で天皇主権から国民主権に体制が変わった」のであれば、

明治憲法の意味合い自体が変更されたことになるので、

「意味合いが変更された後の明治憲法の改正条項によって日本人が自主的に憲法改正をした」

という説明が成立するのである。

 

これを踏まえると、憲法の改正が革命なのではなく、革命とは憲法改正以前に起きている。

よって×となる。

 

この問題を間違えて解説を読んだ時、そもそも何を議論しているのか意味がわからなかった。

そのうち意味がわかった。

でも、時系列がどっちが先かなんてしょーもない重箱の隅を突いてきてる、と感じた。

しかし実は八月革命説の核心部分についての問いであるわけで、

重箱の隅とか感じてる時点で、何もわかってなかったといえるw

 

問2:「天皇主権の明治憲法が国民主権の現行憲法に改正された時点で、革命が起きたと言える」

→先の説明を踏まえると、革命が起きたのはポツダム宣言を受諾した時点であり、×

 

似たようなことが角度を変えて何度も聞かれる

たぶん本質を理解してたらどんな角度から来ても答えられたはずだが、

僕の勉強法は多分そうではなかった、、

 

プログラミングでアルゴリズム考えてると、

どうしても処理の時系列を厳密に意識するようになる

それでいうと、端的に言うと、

STEP1:革命

STEP2:憲法改正

というロジックが正しいのに

STEP1:憲法改正(=革命)

...と理解を誤っていたと言える

 

<参考>

平成22年度憲法第1問。確か、正答率50%以下程度の、いわゆる合否を分ける問題。

 

ア いわゆる八月革命説とは,日本政府がポツダム宣言を受諾した1945年8月の時点で大日本帝国憲法の意味内容が根本的に変化し,国の統治のあり方を最終的に決定する権威という意味での主権に関する憲法原理も天皇主権から国民主権へと転換したとする説である。 

イ いわゆる八月革命説とは,大日本帝国憲法の定める改正手続を遵守しても同憲法の根本原理は改 正し得ないとする立場を前提としており,したがって,大日本帝国憲法の改正手続を経て日本国憲 法が成立した時点で,法的意味の革命が発生したとする説である。 

ウ 憲法改正に限界があるとする説も,改正の限界を超える憲法の変革が事実としてあり得ないとす るものではなく,そうした変革が発生した場合,変革前の憲法と変革後の憲法とは法的に連続して いないため,前者の改正の結果として後者の妥当性を基礎づけることはできないとするものである。 

エ 憲法改正に限界がないとする説からすれば,日本国憲法が国民に保障する基本的人権が「侵すことのできない永久の権利」であるとする憲法第97条の規定にもかかわらず,同条の規定を改正手 続を経て廃止しさえすれば,基本的人権に関する条項の改廃を行うことも可能となる。 

オ いわゆる八月革命説からすれば,大日本帝国憲法の改正手続を経て主権原理を転換することは法 的には不可能であるため,大日本帝国憲法の改正手続を経て成立した日本国憲法は,たとえ主権が 国民にあることを前提としたとしても,法的妥当性を有し得ない無効な憲法だということになる。

 

・my解説

イ→上記説明の通り、憲法改正時点で革命が起きたわけではなく、×(当時は〇だと思ってた)

オ→上記説明の通り、明治憲法の改正手続きで改正したことにするための説が八月革命説なので、×

なお、イとオが明確に否定できれば、消去法で正答できる問題