インドネシアに駐在して、楽しかった思い出。
たくさんある中で、今回は、現地の結婚式をご紹介します。

日本では、同僚や友人の結婚式には「個人」として招待されますが、インドネシアでは「家族単位」で招待されます。取引先のご家族の結婚式の場合、披露宴への招待状が手渡されるのが数日前ということもあります。
つまり、招待客が何名来るのか、主催者側も未定であり、昭和・平成の頃の日本の芸能人の結婚式(※)もかくありなんというべき豪華さで、新郎新婦と面識のない面々もたくさん集うことになりますが、ハレの儀式に、福を分かち合う高揚感は女性なら何度味わっても嬉しいものではないでしょうか。
(※…芸能人の式場を埋め尽くす円卓は、インドネシアでは親族とVIP席のみ。会場のほぼ大部分は立食です)

ということで、我が家は、ご招待いただいた結婚式に、すべからく出席した結果、十回以上、参列しました。

インドネシアの人口の約9割を占めるイスラム教徒と、富裕層に多いキリスト教徒。どちらの結婚式も素敵です。イスラム教の場合は、出身地による地方色豊かな民族衣装や踊りに心奪われます。キリスト教の場合は、新婦は西洋式の純白のウェディングドレスですが、親族やブライズメイドが色調を統一させた式服で、会場が華やぎます。

企業のトップの子弟の結婚式は、五つ星クラスのホテルなどで行われますが、アパートのハウスクリーニングを生業とする男性や、インドネシア語の家庭教師の女性の結婚式は、自宅を花々で魔法をかけたように優美にしつらえ、あふれんばかりのインドネシア料理でもてなしてくれました。

どの結婚式も、ジャカルタの記憶を甘美なものにしてくれています。

相談員T