ランク Aの下

 

1970年代のバンコクを舞台に

皮膚科の青年医師が、ひょんなことから

 新聞のセックス相談コラムを書き始め、

  美人な妻と助手の間で揺れ動き

    家族、新聞社、警察などを

      騒動に巻き込んでいく

        大人のラブストーリーです。

 

 

一言で言うなら、

  大人のよろめきセックスメロドラマです。

 

観ている内に、ストーリーに飲み込まれ

 面白くて、ラストまで、

   一気に観てしまいました。

 

  (良いドラマは、良いところで終わり、

     次を観たくさせることができます。

 

  このドラマは、まさしくこの法則に

    合致していました)

 

性に関する様々な問題を

 真正面から描いているのに、

   驚きました。

 

性に関して開放的?なタイならではの

  ドラマかもしれません。

 

 (日本では製作不可能な内容です)

 

一方では、性に関する表現の自由、性教育

 LBGT問題、AIDSなどの社会問題も

   しっかりと避けることなく、

     描いてます。

 

  (1970年代にタイで始まった

    学校での性教育のドタバタも

      描いています)

 

タイドラマ界の画期的な、

    野心的なドラマです。

 

  (ネットフリックスで、

    今年6月に公開したばかりですので

     視聴率は、謎です)

 

全8話で、最初は、コメディタッチの

 セックスドラマかと思って観始めたのですが

  後半は、大人の大よろめきドラマと

   なっています。

 

様々な性の悩み、相談を取り上げ

  青年医師が、その悩みを解決していく

    展開です。

 

笑いあり、ドンデン返しあり、

  シナリオ展開は、とても上手いです。

 

 (タイドラマ界のシナリオ力の高さを

    痛感させられます

 

 ハリウッドあたりで、

    リメイクするんじゃないかな・・・たぶん)

 

性の解放と、それを良しとしない保守派との

  戦いも絡めて、セックスとは、

    人間にとって、何なんだろうかという

       根源的、哲学的問題も

          考えさせられます。

 

1970年代から、AIDS、LBGT問題などを

  絡めるエピソードも、上手いシナリオに

    タイドラマ界の実力を見せつけられます。

 

 (立場、主張を胡麻化し、

   無難な事なかれ主義の

    映画ドラマしか制作できない 

      日本との大きな違いです。

 

  日本の芸能界の衰退の原因は

    社会と戦わず、争わないことです。

 

  無意味な、無味無臭な作品ばかりの日本です。)

 

家族で観たり、夫婦で観るには、

  すこし勇気がいるかもしれませんし

    一緒に見ていると

      気まずくなるかもしれません。

 

  (私は、妻に内緒で観ました・・・トホホ、嗚呼)

 

明るい?セックスを、基本としているので

  過激?ではありませんが、

    多少、性的、刺激的なシーンが続きます。

 

セックスを全面に押し出してはいますが

  人を愛する意味を問うています。

 

人を愛するのに、

    セックスは不可欠なのか?

 

もっと言うなら、セックスの相性は

     男女関係に重要なのか?

 

この辺りの問題は

  ドラマを観て、各自で判断してください。

 

人間が千差万別なように、

     セックス嗜好も様々です。

 

性の多様性を描いた作品かもしれません。

 

 (売春、性産業もしっかりと描いています)

 

ちょっとしたスケベ心から

  このドラマを観だしたのですが

    立派なラブストーリーとなっています。

 

そして、何より、このドラマは、

  8話で完結していません。

 

シーズン2が、必ずあります!

 

     (あるはずです!)

 

8話のラストは、この後、主人公たちが

  どうなるのか?

     気になって仕方がない

       終わり方となっています。

 

 「乞うご期待!」

 

  (でも、シーズン2のシナリオ展開を

    考えるのは、大変な作業と

       なるはずですが・・・。

 

    ライターの腕の見せ所です。

 

   伏線、ドンデン返しなど

     見事な展開です。)

 

ほんまに、よくできたシナリオです。

 

セピアカラーで、1970年代を

     見事に再現しています。

 

ファッション、髪型、音楽、ニュース、車、

  家電、電話機など、

    時代考証を観ているだけでも

      懐かしくなります。

 

    (若い頃を思い出します・・・)

 

個性的な俳優たちが、上手いこと。

 

 (アジア、南米映画ドラマ界の魅力は

   演技力のある脇役のキャラの豊かさです。

 

  日本は、脇役キャラ不足だと思います)

 

主役の青年医師を演じるのは

  チャンタビット・ダナセヴィです。

 

 

俳優だけでなく、脚本家としても

 活躍しています。

 

青年医師の妻を演じるのは

  チェルマウィー スワンパヌチョークです。
 

 

 

純朴な妻から、性に目覚め、

  妖艶な妻へ変貌するところが

     見所です。

 

青年医師の愛人?を演じるのは

   アラチャポン・ポキンパコーンです。

 

 

ミステリアスな青年医師を翻弄します。

 

なお、一番、気になったのは

   中年の売春婦役でした。

 

この中年売春婦エピソードには

  男の性癖の哀れさに

     満ち満ちていました。

 

ともかく、脇役たちのの灰汁の強い個性が

  ストーリーを盛り上げていました。

 

ともかく、見事なシナリオ展開と

     時代考証が素晴らしいです。

 

そして、性に纏わる社会問題を

  しっかりと取り上げた社会派ドラマです。

 

さらに、大人のラブストーリー、

    よろめきドラマの真髄といえます。

 

演出も、ゆったりと、急がずに

  どっしりと、エピソードを味わえるように

    俳優たちに演技をさせています。

 

主人公の空想世界?心的世界の表現も

  違和感なく受け入れることができる上手さが

    ありました。

 

   (演出、シナリオ、演技の妙です)

 

是非ご覧下さい。

 

一級の娯楽作品となっています。

 

なお、性に開放的でない人は

  一人で見るのが、お勧めかもしれません。

 

タイドラマ、恐るべしです。

 

是非、ご覧下さい。

 

考えてみれば、

  ネットフリックスは、良い作品を

    見出す力が、高いです。