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1973年、コロンビアの航空会社の601便が

  ハイジャックされる。

 

この実話を大胆に脚色し、

  ハイジャック犯、乗員乗客、航空会社

    政府などのドタバタを

      笑いとシリアス、社会風刺を込めた

        ドラマの傑作です。

 

ネットフリックスで観ました。

 

 

6話ですが、1~2話は、

    大声で笑い転げました。

 

3話以降は、シリアスなドラマ展開となり

  人間ドラマが演じられます。

 

ともかく、痛快な娯楽作品で

  観だしたら止まらず、一気にラストまで

    観てしまいました。

 

このドラマの大きな魅力の一つは

  1973年の素敵なファッション、車などの

    風俗です。

 

時代考証が完璧なドラマに

  愚作は少ないです。

 

時代考証が良い作品は

  その時代へタイムトリップできます。

 

そして、俳優陣の演技の上手いこと!

 

一癖も、二癖もあるような俳優たちが

    繰り広げるドタバタが、素敵です。

 

演技力を競っているのが

  画面から分かります。

 

笑いをとる演技で大切なのは

 「笑わそうとする演技」ではなく、

   自然な演技の中で生まれる笑いです。

 

  (最近、人気になっている日本のコント芸は

    笑いをとるための演技が目立って

      私は笑うことができなくなりました。

 

    日本のお笑い芸人は、

       笑いの意味を間違っています。

 

    このドラマを観て、笑いを勉強してください)

 

良い映画ドラマのシナリオは

  俳優たちに、役への感情移入が

     素直にできます。

 

このドラマは、俳優たちが楽しみながらも

  演技力が発揮できる

     見事なシナリオとなっています。

 

ほんまに、どの役者も目茶苦茶上手いです。

 

シングルマザー、貧富の格差、人種差別、労働問題

 サッカー業界の闇、革命運動、麻薬、官僚主義、

   資本家対労働者などについて

     皮肉と笑いをピリッと利かせながら

        人間ドラマが続きます。

 

底辺のプロサッカーチームの内情には

  驚かされました。

 

中南米で貧困から成り上がるには

  サッカー、マフィア、売春しかない現状を

    描いています。

 

南米は、比較的人種差別が少ないと

  聞いてはいたのですが

    コロンビアでは、原住民系が

      差別されていることを

        初めて知りました。

 

 (出身を偽ってスッチーになったエピソードには

   女優の名演技もあって、

    ホロリとさせられます)

 

どこの国でも、資本家経営者、官僚、政治家は

  自己保身に汲々としているのは

     同じです。

 

  (副大臣の狡猾さを

   見事に演じる俳優には

     「悪役は魅力的で荒れねばならない」

       の鉄則にピッタリはまっていました)

 

この映画の裏の主役は、機長です。

 

この機長が、ドラマ展開の要となっています。

 

 (機長ラストの科白の落ちは、

    名言?迷言?で笑えました)

 

犯人二人も、人間味を失わずに

  葛藤する姿を、見事に演じていました。

 

コロンビアは、世界最大の麻薬王国であり、

  一方では、共産主義系反政府運動が

     活発です。

 

どちらも格差社会が生む貧困から

  生まれます。

 

このドラマは、コメディであるのですが

  社会派、社会批判の正統ドラマです。

 

良いドラマ映画は、

  社会問題をエンターテイメント、

    一級の娯楽作品に仕立て上げ

     観客を飽きさることなく

       問題提起と生きる喜びを

         観る人に訴えます。

 

このドラマは、1973年という時代劇?と

  言えるかもしれませんが

    内容は、現代そのものです。

 

50年前と、社会が何も変わっていない現実を

  訴えているのかもしれません。

 

家族愛、ラブストーリーありの

  サスペンス、ミステリー風味もタップリある

    社会派コメディードラマです。

 

是非ご覧下さい!

 

1話を観たら、最終6話まで、一気見になるのは

   保証します。

 

妻にこのドラマを勧めたら

 

妻  「アナタ~!

      コロンビアドラマって、最高なのよ!

         知らなかったの?

 

     『アグリー・ベティー愛と裏切りの秘書室』

       なんて、最高に面白かったんだから!

 

     もう一度、コロンビアオリジナルドラマを

        観たいわ!」

 

 

  (私は観ていません・・・)

 

俳優、演出、シナリオ展開、音楽、時代考証の

  どれをとってみても、

     超一級です。

 

 (完璧に、日本ドラマが不毛なのが

    よく分かりります・・・嗚呼、トホホ)

 

ドラマ「ナルコス」も傑作でした。

 

 

コロンビアドラマ、恐るべし!

 

是非ご覧下さい。

 

良いドラマには、人生が語られています。

 

最後に、実話の元ネタを

  見事に膨らませた脚本家の腕前が

    素晴らしいです。

 

映画ドラマは、演出より

  脚本が重要なのが

     よく分かります。

 

良い脚本が

  演出家、俳優、撮影、音楽などの

    スッタフ、キャストを輝かせるのを

      教えてくれるドラマでした。

 

是非ご覧下さい!

 

ハイジャックをした理由、関係者の騒動、

  結末がどうなるか?は、

    ドラマを観て下さい。