ランク Aの下~Bの上

 

小さな同情から、ストーカー被害に合う

  売れないコメディアンが、翻弄される中で

    人生と様々な愛を経験していく

      捻ったユーモアと愛と哀しみ、

        一筋縄ではいかない

           人生ドラマです。

 

 

主人公演じる俳優の、実話と脚本を

  元にしたドラマです。

 

イギリス風味タップリの

  ヒネリの効いたドラマです。

 

英語が分からない私には

  ドラマ内で繰り広げられる

   会話のウイット、ヒネリ

    ユーモア、皮肉などを

      完全に理解するのは不可能でした。

 

イギリスジョークの塊のような

      ドラマです。

 

ストレートな笑いではなく、

  クスリという笑いでもなく、

    ニヤリとするような

      皮肉たっぷりの笑いだと思いました。

 

英語ができたら、もっとこのドラマの

  良さと面白さを堪能できたと思います・・・トホホ。

 

イギリス映画ドラマ界の強みは

  個性的な風貌の俳優たちが

    灰汁の強い演技で、

      科白をぶつけ合うところです。

 

 (ほんまに、英語ができたらなあ・・・

    字幕を必死で読んでも、

       科白の微妙なニュアンスが

          理解不能です)

 

単なる、ストーカードラマだと思って観たら

  大間違いです。

 

トランスジェンダー、男性被害のレイプ、麻薬など

  現代の社会問題、混沌とした恋愛関係を

     描いています。

 

一方では、伝統的なイギリス家族観を描き

  カオス化してるイギリス社会も描きます。

 

 (ひょっとしたら、10年後?の

        日本社会かもしれません)

 

大志を抱いてロンドンで出てきた

  コメディアン志望青年の

     悪戦苦闘を描きます。

 

ストーカー女性の登場で、自分自身を見つめ直す

   きっかけが生まれます。

 

芸人としての才能はあるのか?

 

名声が欲しいだけなのか?

 

本当は誰を愛しているのか?

 

レイプは、レイプであったのか?

 

レイプ犯を憎んでいるのか?

 

誰にも言えなかった心の傷を、

  癒す?ために、苦痛、苦悩、葛藤が

     主人公を苦しめます。

 

ドラマの前半は、ストーカー女性との格闘、

   後半は、主人公の心の傷からの再生を

     描いています。

 

そして、主人公は、ストーカー女性と

  なんら変わらない同じ人間であることを

     知ります。

 

孤独な心、自信のない、自己評価の低いことを

  知るのです。   

 

このドラマの最大の山場は

 主人公の告白です。

 

このシーンから、ドラマは

  一気に、ストーカードラマから

    人間の本性、本質に迫っていきます。

 

人生の選択は、強いられたものか?

  自ら選んでいたのか?

 

その答えは混沌としています。

 

ストーカー女性への小さな同情から、

 主人公に関わる人々の

  人生を大きく変えていきます。

 

このドラマは、ままならない人生を

  描いています。

 

人生に贖うことはできず、

  運命?に流されるのが

    人間なのでしょうか?

 

誰もが、一筋縄ではいかない、

  人生を描いています。

 

前半から後半へと、

  ドラマの世界に引きずり込まされます。

 

芸達者な俳優たちの演技が

  少しエキセントリックな世界に

     現実感を生み出し

        人生の意味を

           考えさせられます。

 

加害者であるストーカーが

  社会の被害者でもあるのです。

 

英語が分からないので

  このドラマを語るのは難しいです。

 

 (字幕だけでは限界があります)

 

どうにもならないのが、人生だということを

  教えてくれるドラマです。

 

このドラマで、一番気に入ったのは

  強烈な印象を残す主人公の父親です。

 

演じたのは、マーク・ルイス・ジョーンズです。

 

イギリス俳優に特徴の

   存在感バリバリの演技をします。

 

 

母親役のアマンダ・ルートも、

      上手い演技に惚れ惚れします。

 

 

 (イギリスの役者って

    演技にスキが無いです)

 

この父親の存在(演技も)が

  このドラマの主役かもしれません。

 

アブノーマル?な息子を

  受け入れる父親と母嫌像は、

    これからの多様化社会を

      象徴しています。

 

各エピソードのエンドロールに流れる

  イギリスポップ音楽も

     素敵です。

 

  (歌詞の日本語訳を付けてもらいたい)

 

ダラダラと取り留めもなく書いてしまいました。

 

このドラマは、様々な視点で語ることができる

  内容が豊富にあります。

 

観る人によって、観る人生経験によって

  ドラマの感想が

     大きく変わってくると思います。

 

是非、ご覧ください。

 

毒のあるイギリスジョークと

  ヒネリの効いたドラマです。

 

イギリスらしいドラマです。

 

ネットフリックスで観ました。

 

最後に、トランスジェンダー恋愛映画と言えば

  イギリス映画の名作「クライング・ゲーム」が

     ありますので、是非ご覧下さい。

 

 

なお、題名「私のトナカイちゃん」の

  本当の意味は、

    ラストシーンで種明かしされますが

      思わず、涙ぐみました・・・嗚呼

 

主人公か思わず体験する

   ラストのヒネリも、見事です。

 

上手いシナリオです。