ランク Bの中

 

ムショ帰りと財閥のボンボンが

 麻薬取引のお金と、元恋人の弟を

   取り戻そうとするアクション映画です。

 

 

荒唐無稽、支離滅裂な観は否めません。

 

ヤクザ路線映画なんですが、

  在り来たりな義理人情ものを

    「ぶっ飛ばす」という斬新な作品を

      目指しています。

 

若者による新しいヤクザ映画を

  作ろうとした意欲作でもあります。

 

ゲリラ的なロケをして、

  変わりゆく新宿、東京の風俗を描き

    虚無的な、無政府的な

      破天荒な、刹那的な若者を

         描いています。

 

一方では、梶芽衣子をヒロインにして

  昔ながらのヤクザ映画に登場する

    典型的な女性像も登場させます。

 

過去になかった新しいヤクザ映画を

  製作しようとしたのですが、

    中途半端に終わったと

      言える映画かもしれません。

 

 (ラストのヘリコプターに

         象徴されています)

 

渡哲也と原田芳雄という

  まったく味が違う二人の俳優を組ませ

    なにがしらの化学反応を期待したようですが

      上手くいかなかったと言えます。

 

新宿カミナリ族を絡めて、1970年頃の

  現代的な要素を取り込んでいるのですが

   これもまた、リアル感欠如で

     浮いてしまっています。

 

  (沖雅也が、真面目?過ぎて、

     アウトロー感が、まったく無かったのも

        失敗の原因です)

 

この映画の唯一の救いは

  梶芽衣子の美しさでした。

 

  (古い体質の映画界で、

    自分の主張を貫いた数少ない女優です)

 

ラブシーンがあるのですが、この映画に限らず

  日本映画界は、ラブシーンが下手なのは

    伝統なのかもしれません・・・トホホ、嗚呼。

 

  (日本映画のラブシーンを

     分析したら面白い本ができると思うのですが・・・)

 

 

それと、悪役をやらせれば、日本有数の名優

  成田三樹夫です。

 

 (東大理類中退、山形大中退から

    俳優になったという超インテリです)

 

 

監督は、斜陽化した映画界で

       気を吐いた藤田敏八です。

 

  北朝鮮生まれで引き揚げ、

    東大在学中に俳優座養成所へ入ります。

 

  大卒後、日活へ入社し、監督になります。

 

予算が少なかったため

 たぶん、満足な映画製作は

  思う存分に、出来なったと思います。

 

俳優としての方が、活躍したかもしれません。

 

 

反社的な若者とヤクザ社会を絡めた

    アクション娯楽映画作品です。

 

ラストシーンのヘリコプターの行方のように

  作品のテーマ、目的地が

     曖昧になってしまった作品でした。

 

お時間があれば、ご覧ください。

 

藤田監督の作品は、

  この映画以外を観ることをお勧めします。

 

チャンネルNECOで観ました。