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使われないままの魚雷を

   人間に操縦させて特攻攻撃をした

      部隊の物語です。

 

東映オールスター映画です。

 

 

回天は、潜水艦とは名ばかりの

  魚雷を人間に操縦させて

     特攻します。

 

 

 (改造した魚雷ですので、

     前進のみ、脱出方法はありません。

    

     回天は、人間誘導魚雷です

 

   映画でも「棺桶」と表現されていました

 

   制空権をアメリカにとられているので

     魚雷でアメリカ艦艇を攻撃できなくなり

         魚雷がたくさん余りました。

 

    回天は、いわば、廃物利用、リサイクル兵器です)

 

 

何をもって「アメリカに勝った」とするのかを

   決めずに戦争を始めた日本です。

 

勝敗の基準を判断せずに

         戦争を始めました。

 

負けだしても、勝てないと

    思わない日本になってしまいました。

 

純粋?な愛国心ではあるけれど

     理性が失われていく結果になります。

 

娘  「戦前の日本て

       カルト宗教になっていたのね」

 

回天を企画、実行した人物たちが

       主人公です。

 

海軍上層部も反対しますが

   艦隊決戦ができなくなって

          回天攻撃を認めます。

 

映画は、回転部隊、家族に起きたエピソードを

           積み重ねて描いて行きます。

 

一本調子で、よくあるお涙頂戴映画になっています。

 

俳優陣は、真面目に一生懸命、演技をしています。

 

この映画で一番気になった科白は

   大学出身の隊員が、言った言葉です。

 

  (  ① 大学・高校・専門学校等出身の隊員・予備学生

     ② (海軍幼年学校) → 士官学校出身の隊員と予科練

 

     この2つには、大きな溝、対立がありました。

       ①は、自由な生活、思想をもって特攻隊

       ②は、軍国主義純粋培養?の特攻隊

 

      ①、②どちらも頭脳明晰、体力抜群です。

 

      本来は飛行機のパイロットになるはずが

         乗る飛行機が無くなってきたので

            回天に乗ることになりました。)

 

  「勝てなければ、死ねないというのなら

      滑稽だと思います」

       

この科白、日本語がどういう意味なのか?

 

逆に言ったら

 

    「勝つのなら、死にますというなら

        滑稽ではない」

          ↓

    「日本が勝つなら、喜んで死んでいきます!」

 

この解釈でいいのだろうか?

    (私の文章理解力の無さです・・・トホホ)

 

この科白の言い回しが、難しいのです。  

 

この科白は、予備学生の気持ちを述べた

   大切な言葉だと思うのです。

 

この映画のテーマだと思います。   

 

驚いたのは、タップリお金をかけて

            映画を作っていたことです。

 

   (回天のレプリカを作って撮影していたのには、

          驚かされました。

 

     亡くなった隊員への鎮魂の強い意味を込めて

        中途半端な映像化を嫌ったのでしょう)

 

日本の戦争映画の出来不出来を観る判断の一つは

   軍隊式の敬礼とお辞儀です。

 

この映画は、完璧に、再現していました。

 

   (敬礼等の下手な演出映画は、

       私のようなミリオタの、映画への感情移入を

           一気に減退させられます。

 

     最近では「スパイの妻」が、酷かったです・・・トホホ)

 

この映画は、亡くなられた隊員、家族への

   鎮魂の映画です。

 

戦後20年に作られた映画です。

 

戦争を直接知らない世代へ

  忘れてはいけない戦争を

    語り継がんとして作った映画です。

 

  (教科書的に、太平洋戦争の経過を

      解説、説明があります。)

 

ヤクザ映画専門?になっていた東映が

    乾坤一擲、愛国心の純粋さを主張した映画です。

 

  (愛国心の発露には、様々な形があります。

      戦争に反対するのも愛国心の一つです)

 

映画の完成度としては、

   満足いくものではありませんが

       製作者たちの熱意に溢れた

          真面目な映画です。

 

チャンスがあれば、ご覧ください。

 

最後に、回天作戦で亡くなられた方々の

  ご冥福をお祈りいたします。

 

  CS放送で観ました。