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幕末から明治の初め頃

  日本中で吹き荒れた暗殺を

     コンパクトにまとめた歴史本です。

 

 

意見の合わない奴、言うことを聞かない奴、邪魔な奴

間違ったことをしている奴、裏切った奴、噂だけの奴

嫌いな奴、反対意見の奴、思想が違う奴

殺しを頼まれた奴、決まりを破った奴

遊興する奴、外国人の奴、仲間を殺した奴

無関係な奴、とばっちりの奴・・・

 

ともかく、切った張ったで、血で血を洗う、

     殺戮の幕末維新が語られています。

 

講談調に、テンポよく、ポイントだけを

  誰が、誰を、何のために殺したのか?を

     淡々と描いています。

 

首の切り落とし、さらし首にして

   罪状を書き連ね

      衆人観衆へ見世物にするのです。

 

暗殺犯人を、打ち首、切腹、さらし首にして

   報復します。

 

  (時々、殺さず、木に括りつけて

      さらし者にもしています。)

 

さらし首があると、

  町民たちの見物人が群がります。

 

ともかく、刀です。

  即死にならず、出血多量で苦しみます。

     首を切り落としてくれた方が

        楽かもそれません。

 

  (メッチャ痛いはずです。

     想像するだけでも、ぞっとします・・・嗚呼)

 

この本は、ズバリ、テロの記録です。

 

坂本龍馬などの有名人だけでなく

  知らない侍の暗殺オンパレードです。

 

幕末の侍なんて、みんな超過激派です。

 

暗殺に手を染めなかった維新の人物はいません。

 

殺すか、殺されるかの違いです。

 

街中で殺されるか、戦場で殺されるかの

  違いだけのようです。

 

ISのような明治維新の日本だったのです。

 

なぜ暗殺が決行されたかを

  どんな人間が、どんな人間を殺したかを

   どんな理由で殺したかを、

      コンパクトにまとめて教えてくれます。

 

  (「尊王」「攘夷」「復古」などの背景や

      何の政治、政策が、暗殺者を生んだのか?

         分かり易く教えてくれます。

 

   古文がでてくるので分かりにくいところもありますが、

     細かい所は、気にせず読み進めましょう)

 

フランス革命のギロチンが

   日本では、刀で首切りとなります。

 

生々しい記述が出てきますので

  気の弱い方は、ちょっとだけ注意をして下さい。

 

死が身近だった幕末の歴史です。

 

ただ驚いたのは、

  暗殺犯の検挙率です。

 

たいした道具もなかった時代に

   口コミ?だけで、犯人を探し当て、

      キッチリ切腹、打ち首にしていたのには

         驚かされます。

 

  (迷宮入りや生き延びた犯人もいますが・・・)

 

歴史の面白さ、人間の不可思議さに満ちた本です。

 

明治維新の見方を、変えてくれる本です。

 

歴史好き、明治維新好きには、必読の書です。

 

肩はこらない?けれど、

   歴史の残酷さ、冷徹さを教えてくれる本です。

 

是非お読みください。