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1987年、韓国軍事政権全斗煥大統領に対抗した民主化運動の

        実話を元にした映画です。

 

この映画の舞台は、1988年「ソウルオリンピック」の

      前年に起きた事件の映画化です。

 

    (全斗煥政権は、1980年光州事件を起こします。

        「タクシー運転手、約束は海を越えて」

        「ペパーミントキャンディー」を観てね)

 

セミドキュメンタリー風に、物語は展開していきます。

     (登場人物の多くは、実在の人物がモデルです)

 

名門ソウル大学の学生が、安全企画部の拷問で死ぬところから

    この物語は始まります。

 

    (安全企画部とは、

          KCIA → 安全企画部 → 現在は、国家情報院

       のことで、対北朝鮮、スパイ、共産主義運動、

             民主化運動、親北朝鮮運動を

                監視、逮捕、弾圧するなどの組織です。)

 

  ここで、韓国の歴史を少し知らないと

        この映画の背景、怖さが分からないと思います。

 

   1911年、朝鮮半島は日本に併合され、植民地となります。

           (土地、言葉、氏名などが奪われます。

              在日の方が日本名を名のるのも

                 その名残りです。

               名作「族譜(チョッポ)」を観てね)

 

   1945年、日本の敗戦(「終戦」と言うのは誤魔化しと思うけど・・・)

 

     ソ連(ロシア)が満州から、朝鮮半島へ侵攻してきます。

 

     アメリカは、日本占領で頭がいっぱいで、

             朝鮮半島をあまり考えていなかった。

 

     ソ連が朝鮮半島に侵攻したというので、

        アメリカは慌てて軍隊を朝鮮半島へ送り込みます。

 

     結果、米ソ両軍は、北緯38度線を境界として

           朝鮮半島を分割統治を始めます。

 

    北朝鮮では、ソ連(ロシア)が、金日成を祭り上げて

               傀儡政権を作ります。

 

          北朝鮮では、人民裁判をしては、

            地主、親日協力者、両班(高級官僚)などの

               特権階級一族(女子供も)を処刑してゆきます。

 

          そのため、多くの北在住の国民が

               命がけで、38度線を南へ越えます・・・。

 

        この映画では、民主活動家の拷問を命令する

                安全企画部の局長が・・・映画を観てね!

 

     韓国では、アメリカが、アメリカに亡命していた李承晩を

            大統領に据えて、親アメリカ傀儡国家を作ります。

 

           アメリカは日本占領で手一杯です。

             そこでアメリカは、

                植民地を管理していた

                   日本が作った官僚機構を

                      そのまま利用します。

 

          つまり、日本人の下で働いていた

               朝鮮人官僚、朝鮮人警官、朝鮮人軍人、

                 地主、両班などを温存します。

 

          (例えば、日本陸軍士官学校出身の朴正煕は大統領に、

                  娘のパク・クネも大統領になるよ)

 

         実は、映画で拷問シーンが出てくるのですが、

              拷問のやり方は、戦前の、

                 日本の特高警察で

                    学んでいるのです・・・嗚呼、トホホ

 

        朝鮮半島に2つの国家が生まれます。

 

        韓国では、ソ連(ロシア)、北朝鮮の共産主義、社会主義が

               素晴らしいという幻想?があり、

            一方では、北で行われていた共産主義への

                嫌悪と恐怖が渦巻いていました。

 

            韓国初代大統領李承晩が、

              反共主義者の独裁者だったので、

                  民主活動、親共産主義への大弾圧をします。

 

         (例えば、1948年、観光地となっている済州島では、

              数万人?の住民虐殺が行われ、

                 多くの韓国民が、大阪鶴橋へ密航してきます)

 

    1950年、南北統一を目指した北朝鮮金日成が

            韓国に攻め込んで朝鮮戦争が起こります。

 

            (傑作「ブラザーフッド」を観てね!

                南北朝鮮の関係がよく分かりますよ!)

 

   1980年、軍事政権全斗煥政権下で、「光州事件」が起こり

   1987年の同じ全斗煥政権下が、この映画の舞台となります。

   

  戦後の韓国の歴史は、民主的な国家を求める国民と

                 反北朝鮮、反共産主義の独裁・軍事政権との 

                 闘争の歴史です。

 

   「香港」の戦いを何十年も、多くの犠牲を払っているのが韓国です。

 

    (李朝時代から、権力闘争は、日本の比ではなかったような・・・。

         「韓流ドラマ」を観てね・・・)

 

この映画を観て、

    華やかだった「ソウルオリンピック」の前年に

        これほどの事件が起きていたことには、

            驚かされました。

 

   (チラチラニュースを見ていたけれど、

       ほとんど気にもかけなかったです・・・トホホ。)

 

対北朝鮮組織・安全企画部が

     悪役の限りを尽くしている映画です。

 

 「悪の凡庸さ」という言葉がありますが、

      その通りのことが起こっています。

 

 「絶対に、正しいことをしているのだ」

        と信じた人間の悲劇でもあります。

 

 「トカゲのシッポ切り」も見事に描かれています。

 

一緒に観た娘曰く

 

娘   「ヤクザ映画じゃない!」

 

    (娘の言う通り、ヤクザ映画と言われれば・・・

        確かにそんな気もしないでもありませんが・・・)

 

組織対組織、組織対個人の戦いの映画です。

 

国家対国民、国家対個人、独裁対民主、権力対個人の映画でもあります。

 

こういう抵抗の映画を観るたびに

   「長い物には巻かれる」私には、

        絶対にできないことだと確信します。

 

この映画は、本当に権力が持っている恐怖を教えてくれます。

 

気の弱い私なんか拷問する前に、即、自白します。

     それも冤罪、嘘の自白になってもです。

 

  (拷問で最もキツイのは、ナチスドイツの拷問です。

      小さな真っ暗な木箱に不自然な姿勢で押し込めて、

         1時間?ごとに木箱を転がして、

              眠らせない拷問です。

 

       すぐに自白するそうです・・・してはいけませんよ!)

 

人間が一番弱いとこを攻めて

    コントロールする怖さを描いています。

       (拷問なんていりません・・・トホホ、嗚呼)

 

映画の魅力は、悪役です。

   悪役が輝かない映画は、駄作です。

 

拷問シーンの上手いこと!

 

この映画、悪役がピカ一です。

   局長以外も演技が上手い!

 

そして、美男美女ばかりでない役者達が

       映画にリアル感を持たせています。

 

韓国映画の役者って、みんなどうしてこんなに上手いのか?

    いつ観ても感心します。

 

もちろん、暴力シーンのリアルなこと。

      (ケガ人がでているはずだ!)

 

そして、女性の泣き叫ぶ演技の上手いこと。

      (なぜ、日本人女優の泣きが嘘っぽいのか・・・トホホ、嗚呼)

 

事件はテンポよく展開します。

 

  韓国の観客には、言わずもがなの常識だから 

     理解に苦しむこと少ないのでしょうが

        日本人の私にはちょっと不思議に思うこともありますが

           気にせず「そんな時代なんだ」と思って観ましょう。

 

時代考証がよくできていて、1987年頃の車、ファッションが

   ふんだんに出てくるので、懐かしい気持ちになりました。

 

   良い映画は、時代考証で決まります。

 

ハンカチが必要です。

        涙ぐみました。

 

ハラハラドキドキ、サスペンスもあります。

 

そして、何より、国家権力に立ち向かった

      勇気かある韓国民に敬服いたします。

 

  (検事、記者、刑務官のエピソードがいいんだなあ・・・)

 

さまざまな民衆レベルでの、

   自分ができる精一杯の抵抗をした韓国の国民の

      強さを素晴らしいと思いました。

 

  (翻って、日本の官僚、検事が、

      根性なしの、骨抜きなのが

          痛感するので悲しいです。

 

     森友学園、検事の定年延長、詩織さん事件

     近親相姦犯罪、河井夫婦議員など

       みんな不起訴かあ・・・トホホ、嗚呼。

 

     韓国なら、大デモ行進になっているかも・・・。

 

     と、言うだけで、私はデモに行かないか・・・嗚呼、トホホ)

 

実話を脚色していますが、

     一級のドラマに仕上がっています。

        (ラブストーリーも・・・・映画を観てね!)

 

是非ご覧ください。

 

韓国民衆闘争の映画です。

 

最後に、ラスト近くの教会シーンで

       ステンドガラスを見た局長は何を思ったか・・・・。

 

最後に、韓国警察の催涙弾のガスは

        世界一強力だそうです。

     (香港で使っている中国製が世界一になったかも・・・トホホ)

 

娘曰く  「韓国の学生デモって、凄いのね」

 

私    「日本の70年安の方が

           もっと過激だったんだけど・・・」

 

    (でも、日本の公安警察は、

           安全企画部ほどでもなかったか・・・・)   

 

南北分断された理由の一つに日本の植民地政策が

    あったことを念頭に置いて、映画を観て下さい。

 

現在の韓国も、権力闘争の真最中です。

  (大統領を辞めたら、即、刑務所行きですから・・・トホホ、嗚呼)

 

真面目な、良い映画です。

 

お隣の韓国を知るための良い映画です。

 

ご覧ください。

 

関係者の熱意が伝わる映画です。