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ナチスドイツの強制収容所での

   2日間の物語です。

 

強制収容所には

    「ゾンダーコマンダー」というユダヤ人作業員がいました。

 

      彼らは、虐殺したユダヤ人の死体処理を専門に行い

           数か月したら、お役御免で殺されます。

 

ゾンダーコマンダーの主人公が、収容所内で

    ユダヤ式埋葬を試みる物語です。

 

    (どうなるかは、映画を観て下さい!)

 

「カポ」という役名がよく出てきます。

 

   「カポ」とは、

      強制収容所内に

         ユダヤ人のボスを置いて、

            ユダヤ人によるユダヤ人の

                管理をさせた役職名です。

 

   「カポ」によるユダヤ人のへの虐待もありました。

 

強制収容所の映画を幾つか見ていますが

   この映画ほどのリアリズム感は無かったです。

 

ドキュメンタリーを観ている感覚になりました。

 

カメラの焦点を主人公だけに当てて、

    背景はソフトフォーカスなので、

        逆に想像力が働き

             強制収容所の残酷さ、恐怖を

                  掻き立てられました。

 

   (「1917」が長回しで臨場感を演出していましたが

       この映画のカメラワークの方が

             もっと強い映像力発揮していました。)

 

恐怖を感じながら、映画を観ました。

 

狭い画面の中で映画は展開するのですが、

    それだけ、追い詰められたユダヤ人たちの

          心の葛藤が伝わりました。

 

是非ご覧ください。

 

この映画のような映像力、演出力は

     初めての体験でした。

 

  (こんな映画作りの方法があるのかと

        驚かされました)

 

映画界を目指す人は、必見の映画です。

 

ハンガリーの役者たちはみんな渋いです。

   苦みばしった男たちが、少ない会話で

       演技を競います。

 

     「映画の良さは、細部に宿る」

 

この私の格言?のように、

   リアルに、収容所内が再現されています。

 

     「映画は時代考証が命です!」

 

  (直接的な過激なシーンはないので

      気の弱い方でも大丈夫だと思いますが

           気分が良くなる映画ではありません)

 

是非ご覧ください。

 

重い映画です。

 

主人公のように、ここまで命をかけて

    葬式をするのかと、信じられないのですが、

       極限状態におかれた主人公には

          生きる力だったのかもしれません。

 

映画は、実際に起った強制収容所の反乱、エピソードを

       ベースに物語を作っています。

 

映画を観終わった後に、

    「反乱」について、ネットリサーチをしましょう。

 

シナリオにしたら、少ないページにしかならないでしょうが、

     映像の力を、存分に体験させてくれる映画です。

 

アカデミー賞を受賞しただけの映画です。

 

なお、事前に、強制収容所についての知識が

        あったほうが、もっと身に迫って

              観ることができます。

 

ここからは、読まない方がいいかもしれません。

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ラストに少年が出てきます。

 

一緒に観た娘曰く

 

娘   「あの少年は何なの?」

 

私   「?????!!!!!」

 

主人公が埋葬したかった息子?が

       復活したと、主人公は思ったのでしょう。

 

理由は、ユダヤ教では

 

   「遺体を焼くと復活できない」

         

        という考えがあるそうです。

 

     (ゆえに、収容所での遺体焼却処分は

              宗教上許されないのです・・・たぶん)

 

「サウル」は、旧約聖書に出てくる初代イスラエル王の名前です。

 

   (ダビデを殺そうとした王様でもあります。

    サウルの息子も聖書に登場しますが・・・)

 

私はユダヤ教、キリスト教の宗教的知識はまったくないので、

   監督が題名に込めた意味を理解するのは

           困難でした。

 

やはり、キリスト教についての知識が無いと

   本当には、欧米映画を理解することは

      できないのかもしれません・・・・トホホ、嗚呼。)

 

コロナで映画ばっかり観ています・・・トホホ、嗚呼。   

 

最後に、命がけでこっそり撮影した写真を残した

         ユダヤ人収容者の方には

                その勇気と信条には

                      敬服いたします。

 

     (ネットに写真がありますよ)