国交がなく、大使館もない、謎の多い国を旅行することには不安があった。
新潟港でのセレモニーやにぎわいを見て、やっと、旅行への最後の決断がついた。
港では、旅行を黙っていた両親へ、「北朝鮮へ行く」と手紙を投函した。
出国審査は、ノービザ、ノースタンプ、ノーチェック。（帰国後、チェックしなくてもよい理由が分かった･･･）
歩いて船に乗り込んだ。
タラップを上がったところで、テーブルに座った２人の北朝鮮係官が、乗客のパスポートを、ジュラルミンケースへ回収していた。
ケースには、ぎっしりとパスポートがあった。
私のパスポートもその中の一つに･･･。（出国時まで、返却されず、スパイに利用されると、私を含め何人かのツアー仲間は想像した）
これで、もう後戻りできない。