入社式の朝。
我が子からのLINE。
昨夜は、これから同期になる皆さんと、少し飲んだらしい。
『おはよう』
「おはようございます。新社会人、おめでとうございます」
『ありがとう』
何故か。突然。
今だな、と思った。早く。早く、伝えなければ。
急げ、私。
えーっと、まずは。
「人間万事塞翁が馬」
これもだな。
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」
定番も入れないと。
「ねだるな。勝ち取れ。さすれば与えられん」
そうだ、これも。
「短気は損気。急がば回れ」
あとは。何があるっけ。
急げ、急ぐんだ、私。
『大丈夫だって』
我が子の落ち着いた表情が、目に浮かんだ。
そうだ。
もう、時間切れ。タイムオーバーだ。
「うん。大丈夫」
「立派な社会人だよ」
「でも、頑張りすぎないで。社会人生活は、始まったばかり。長いからね」
『うん』
『気楽にやるよ』
「何で、格言みたいな言葉が、並んでるの?」
家族LINEを見た夫が、不思議そうに、私に聞いてくる。
「あのね」
もう、あの子は、社会人になったから。
あの子は、私達が見たこともない、知らない世界で、これから、頑張っていく。
だから。
格言みたいな言葉を。
あの子に伝えられるのは、今が、最後のチャンスだと思って。
だって。
あの子から、私達が教えられることはあっても。
私達が、あの子に教えられることなんて、もう、何もないから。
「確かに。そうだな」
さすがは、我が夫だ。
さらりと、私の気持ちを汲んでくれる。
ありがとう。いつも、本当に、ありがとう。
さてさて。
推しのインスタで、「Please」が流れていた。
あの、キレイな虹の写真だ。
良い曲だな、と聴きながら。
懐かしい、というか。ひなびた匂い、というか。何かに似ている、というか。
何となく、そういうものを、私は感じた。
これは、何だろうと、いつものように、考えていたら。
キレイなピンクが、頭に浮かんだ。
「MAP OF THE SOUL:PERSONA」
私が初めて買った、BTSのアルバム。
それも、新品ではなく、中古。ブックオフで、だ。
PTDでLAに向かう、空港の推しを見て、「いやいや、どうする。この人カッコいいわ」から始まった、私の推し活。
まずは、BTSというグループのアルバムでも、と思い、とりあえず、ブックオフへ向かった。
K-POPの棚には、BTSのアルバムが、たくさん陳列されていた。
どうやら、同じアルバムでも、微妙に違うらしい。
「これとこれは、一緒。これとこれは、曲が違う。じゃあ、これとこれでは、一体、何が違うんだ?」
今なら、分かる。
一つのアルバムに、色々な形態がある、ということを。
そして、色々な特典がランダムにつく、ということを。
更には、その特典さえも、色々なバージョンがある、ということを。
そもそも。
何も下調べもせずに、勢いのまま、ブックオフへ来た、私が悪いのだ。
とりあえず、このピンクにするか。
1枚しかないし。他は、モノクロだし。面白そうだし。
ほぼほぼ、適当に選んだアルバム。
でも、私は、ラッキーだった。
何故なら。
大好きな「HOME」が入っていたから、だ。
ちなみに。
「MAP OF THE SOUL:PERSONA」は、4形態だった、そうだ。
私の手元にある、このピンクが、どの形態なのかは、新規の私には、分からない。
当時のARMYの皆さんや、世の中の皆さんは、この
アルバムを、どのように、評価したのだろうか。
「ARIRANG」のように、最初は、「イマイチ」と言われたのだろうか。
そして、光化門のライブや、アメリカでの活動のように。
彼等は、ステージに立つことで、「イマイチ」という声を、かき消したのだろうか。
これも、新規の私には、分からない。
ただ。
「Please」と「HOME」は、違う曲なのに。
それでも、私の中では、何故か、繋がったのだ。
「HOME」は、PTDのLIVEアルバムには、収録されなかった。
恐らく。多分。
諸事情で、今後、ステージで歌われることはない、と思う。
PTD LAの「HOME」が、きっと、最後だった。
久しぶりに、YouTubeのファンカムで、その時のパクジミンさんを見た。
いやいや、やはり、ジミン節。
パクジミンさんの「HOME」は、めちゃくちゃ、カッコいい。
そう思いながら。
何故か。突然。
今頃。ようやく、私は。
東京ドームには行けないことを、実感したのだ。
寂しいな。正直、寂しい。
ただただ、寂しい。
ステージに立つジミンさんを、東京ドームで、見たかったな。
長くて、すみません。
ご覧いただき、ありがとうございました。
以上です。