メッセージを送った後、既読がつくまでの時間は少し特別でドキドキする


そのメッセージがスマホの中で漂っている


受け止められていないメッセージは、魚


ケイくんは読んでるはずだけど、どう返すかいつ既読だけつけるか、考える時間が必要な人だからゆっくり待つ


その間魚は好きに泳いでいく


もう戻れない魚をどうするのかはケイくんの自由


煮ても焼いても大丈夫


ただ受け止められるだけでいい


ブロックでも未読スルーでもそれが答えだから


気持ちが届いたらそれでいい



ケイくんへのメッセージには2日後に既読がついた


この2日間あのメッセージをどう思って読まれたんだろう


想像しても仕方ないけど、読んでくれたから嬉しい


思い切って書いたメッセージだけど、気軽に書いたみたいな文面が痛々しい


痛い女だったことを改めて思い出させてくれたから、やっぱり恋だったんだろう


久しぶりの恋は叶わない事は分かっていたから、これでいいんだと自分を慰めて励ましていよう


まずはまつ毛パーマをかけなおして、美容院でさっぱりとした髪型にしよう


見た目だけでも綺麗でキチンとした人に見られるように


そして、新しい気持ちで生きていこう



夫のことをぐちぐち言うのは、言いなりになる事で平和な家庭を築いている自分が嫌いだからだろう


話し合いをしても夫の意見を優先しないといけないと思っている私が嫌


私の希望はことごとく退けられても意見を通さない私が嫌



たまたま同じ意見の時は、本当にラッキーって思う


そういう私の楽観的なところが、自分を蔑ろにしてくる夫の事もスルーしてしまう事につながっているんだと思う


そういう時もあるよねーってあんまり考えないで違和感をスルーしてた


違和感をスルーできなくなったのは、子供を殴って家族をコントロールするように夫がなったから、無理になったんだよね


夫の意見が絶対で、家族の役割としてお互いを支えるべきで、そのために必死に努力しなければならないというルール


一見まともそうで厳しいルール


誓約書にサインもさせられた


バカみたいだけど、夫は真剣に言っていたから仕方なく揉めたくなくてサインした私も嫌



私の心の領域までズカズカと入ってこられる事が気持ち悪くて、やめてと言ってもやめてくれない夫が嫌


私の価値観を認めようとしないところも嫌


夫の価値観に合わせていたけど、暴力を振るった事からもう信頼できない


私がどんな人と結婚したいか聞かれたらから話をしたら、バカにされた


取るに足らないどうでもいい事だと鼻で笑われて、そのどうでもいい幸せがどれだけどうでもいいか説明された


それは夫にとってどうでもいい話なだけで、私にとってはとても素敵な話なんだけど


あの時夫が一緒にメリーゴーランドに乗ってくれなかったのに、それでも結婚したからこんなに苦しいんだろう


一緒にメリーゴーランドに乗ってくれる人と結婚するって思ってたのに、その人が現れるまで待てなかった


メリーゴーランドに乗ってくれなかった6人の恋人の6人目が夫だった


結婚するなら恥ずかしくても、私の気持ちを大切に思ってメリーゴーランドに乗ってくれる人っていう事に妥協した


妥協って悪い意味だけではないけど、私にとってメリーゴーランドに乗ってくれる事は、大切な気持ちをどう扱ってくれるかの線引きだったんだと今は思う


メリーゴーランドに乗ってくれる人がきっといつかは現れると思って結婚しなかったとしても、後悔しただろう


頭では分かるけど、気持ちでは分かりたくない


だから大人になってしまった自分が嫌いで少し誇らしくて哀しい


そんな時に、幸せな気持ちでいられるように好きな人といる時間を大切にしなさいってInstagramで見かけたら


涙が出た


嫌いになってしまった人といる時はどうしたらいいのだろう


夫の脱いで丸まったままの靴下が洗濯機の前に転がされていたり、玄関にズボンと上着と鞄を適当に放り投げられていたり、読んだ本や書類を部屋に散らかされている


もういいかげん自分の事は自分でして欲しい


何度もこの20年言っている


私の夫への優しい気持ちがなくなってしまったのはいつからだろう


多分こういう靴下とかを私に片付けさせる事で悦に浸っているというか、俺の方が偉いってマウントされている感じがするところがたまらなく嫌


私のこと好きで好きでたまらないと言ってたのに、ホワイトデーも誕生日もクリスマスも仕事忙しいからプレゼントは用意してくれない矛盾が私には共感できない


一緒にいても全然楽しくなくなったから、離れた方がいいって分かってる


一緒にいたら私が腐っていく


自分を嫌いになっていく


私を大切にできるのは私だけだから、傷つける夫とは居たくない


甘えないで


ちゃんと拒否できるような私になりたい