今日はケイくんの大学の卒業式


一目でもケイくんの顔をみたい気持ちがある私は、今バイト先にいる


好きな気持ちは心の箱に大事にしまい込んだはずだけど、想いは知らず知らずに溢れてしまう


私の自制心は頼りないから、卒業式に出ているケイくんを見に行きたい気持ちを止められないからシフトをいれた


もうケイくんはこの縦浜に住んでなくて、就職も故郷


たくさんの思い出を思い出したくなくて、思いっきり身体を動かして洗車する


ちょっとやけっぱちな気持ち


もちろんお祝いしてるし、新しいステージに旅立つケイくんを応援している


なんなら、心底思いっきり誰よりも応援しているし、本当に幸せになってほしい


ただケイくんの人生に、私がいないことが寂しい


もうどうしようもない事だから考えるだけ無駄だし、仕方ない事だと分かってる


だから少しだけ寂しい


私の人生のキーパーソンがケイくんだった事は間違い無くて、考え方や人生観に影響を受けた事も明白


初めは私がどうしてこんなに25歳も年下のケイくんに惹かれるのかも不思議でしょうがなかった


色んな事が違うのに、ふと目が合った時に笑い合ったり、その時のちょっとした優しさの種類や伝わり方が似てて、気持ちが通じ合ったと思える事が何度かあって、嬉しかったんだ


土砂降りなのに傘を忘れた帰り道に、ちょうどケイくんも帰るところで、コンビニまで相合傘してもらった時、肩が触れ合ってお互い照れたっけ


コンビニで別れたけど財布忘れて結局、私1人で雨の中ケイくんの背中を遠目に見ながら歩いて帰ったんだ


びしょ濡れでもう電車もバスも乗れないから歩いて帰ったんだよね


駆け寄って話しかけたかったけど、土砂降りの中びしょ濡れの私が話しかけたらホラーかなと思って遠慮したっけ




7月の終わりには、たまたま当たった食事券が海鮮懐石で、エビアレルギーの家族は行けないから、ケイくんを誘ったんだっけ


だって海鮮好きだって言ってたから、ダメ元で


そしたら行くって言うから、嬉しくて2人でご飯食べたんだ


あんなに楽しい時間はなかった


本当に


ご飯食べた後に帰るって聞いたら、まだ大丈夫って言うからドライブして、富士山と夕日見ながらずっと話してたっけ


ケイくんとの時間


キラキラした時間が私に元気と勇気を与えてくれたから、新しい仕事にも進められたんだと思う


私も春から仕事するよ


ケイくんは新卒採用だけど、私は中途採用


だからこの洗車バイトも後少しで終わる


ダブルワークもできそうだけど、そこはまたよく考えておこう


水飛沫が顔を濡らしてたまらない


雨も降ってきた


良かった


ケイくんと出会えて本当に良かった


卒業おめでとうケイくん


私もバイトから卒業するね


大好きなケイくん


ずっと元気でいてください


ずっと多分ずっと


好きだから


忘れない


忘れられない