日曜のバイトで全身筋肉痛になったけど、月曜の朝は燃えるゴミの日だから早起きした


布団から起き上がる時の肩の痛みがやばい


ぐるぐるとゆっくり両腕を回したり、背筋を伸ばしたりして全身をほぐす


スウェットに着替えて各部屋のゴミ箱を一階の大袋に入れる


前日に各自でゴミ捨てをしておいてと言っても、したりしなかったり


子供達は、後数年こうして甘えて生きていくのだろう


子育てはいつかは終わる事だから、まぁしばらくは声かけておくくらいでいいかと、ゴミ袋の口を縛る


ゴミ出し後は、朝食を作りながら子供達を起こす


全然起きてこない


いつもギリギリまで起きてこない


やっと起きて一口二口とご飯を食べてる


朝は食欲がないらしい


お茶をわずかに飲んで登校していく下の子


お昼に給食たくさん食べてねと心の中でつぶやく


とりあえず登校したからオッケーと、今度は自分の支度に取り掛かる


とうとうホテルの面接の日だから、緊張しながらメイクに取り掛かる


面接のメイクだから清楚で明るい印象が良いだろう


ファンデーションはお気に入りのデパコスのクリームタイプ

まるで美しい肌のような自然な仕上がりにテンションも上がる

KANEボ最高

少しフェイスパウダーで目回りをおさえてからアイメイク


テラコッタブラウンとクリームパールのアイシャドウは、グラデーションが美しい

濃くならないよう慎重につける

アイラインもブラウンで自然さを表現


マスクを一瞬外して挨拶をしようと思い、チークは薄めのレッドに、口紅は肌馴染みの良いレッドで面接メイクの出来上がり


紺のスーツとトレンチコート、白いマフラー

カバンはダークブラウンのコーチ

靴はもちろん黒革のパンプス


何度目かの面接コスプレに身を包み、いざ面接と出かけようとしたら、母から電話が入った

まだ時間の余裕があるから大丈夫かと、玄関の鍵を閉めながら電話に出る


母「私か?おはよう、今日ホテルの面接でしょ?心配で、電話したんよ

やっぱりホテルは心配だから辞めたら?」


あぁまたか

何度も私の進路の反対をしてきた母にうっかりホテルの面接の話をした私が悪い


私「心配してくれてありがとう

でもね、前にもしたいって話した事あったよね?

それくらい前からしてみたかったし、私ももう47歳だから、自分の人生は自分で決めるよ

やってみてダメならその時考えるから大丈夫だよ」


母「そうか?もうなんかそんな働かなくても夫くんの事はATMだと割り切ればいいのに」


私「はは、そうだね

  まぁ、どうなるか分からないけどやるだけやってみたいから、ダメなら辞めるから」


できるだけ明るく気にしてないように話した


心配してるからって私の進路を何度も反対して困らせてくる

地元にいる時は家族に反対されすぎて、全然好きな方を選ばせてもらえなかった

進路では、警官になる夢も反対され、ホテルマンになる事も反対された

中学では、テニス部に入るのも反対されてバレー部に入った

反対の理由は、バレー部の方が協調性が身につくからだ

バレー部以外ダメだと言うから仕方なく全然興味のないバレー部に入った

しかし、2歳下の妹は親の言うことを聞かずテニス部に入った

正直妹が羨ましかった

高校では、友人と一緒に少林寺拳法部に入ったら、やめろと毎日のように言われて1年後に英会話部に転部した

2年生から英会話部に入ったら、今度は少林寺拳法部の方が良かったんじゃないってまた転部させようとしてきて本当に参った

私を何だと思っているのかと、泣きながら訴えても全然気にしない親だった

さすがに戻れないと言って英語部のままで卒業した

妹はチアリーダー部に入って、部屋でタバコを吸っていた

洗面器くらいの大きさの灰皿にタバコの灰が山になっていた

両親は妹のする事に反対する事を諦めた

最近の妹は禁煙してるらしい

携帯ショップの店長としてバリバリ働いている


私は1番選びたいものを諦める事が上手になっていた自分が嫌いで、地元から離れられる公務員になったんだった


地元から離れてほんとに良かったと改めて思う


自分の事は自分で決めたい


家族とかはもう考えないで、1人の人間の成長として仕事に就きたい


電話を切って、バス停まで小走りで坂を登る


あーバス行っちゃった


ギリギリにはならないから大丈夫と次のバスを待つ


お母さん、心配してるって言って私を困らせないでくださいね


それって愛ではないんですよ


例え離婚しても絶対地元には戻りません


夫には一応報告はするけど、反対されても気にしないでおこう